院長のつぶやき 週刊現代2016.7.30日号のトンデモ医学特集 2016年7月20日
週刊現代の7月30日号が売れているらしい。
私も記事の内容を確認しようとしたが売り切れだった。
表題は「ちょっと待て!その手術、この薬が危ない」
週刊誌にしてみれば売れることは正義である。
完全な虚偽でなければ、少々怪しげな話であっても、
センセーショナルに取り上げて、病人の不安を煽り立てれば、売れる。
誰もがよくのんでる薬が危ないという記事を書けば爆発的に売れる。
逆に、科学的に正しくても、面白みのない話では、売れない。
ネタを提供しているのは浜六郎氏らしい。
この人の言説は知っている。トンデモ医学でメシを食っている人。
うっかり言っていることを信じたらエライ目に遭う。
ほとんどの医者は相手にしていない。
議論をすることさえ時間の無駄と思っている。
ところが、無視すると逆に絡んでくるのですな。
「本当のことを言われて困るから議論を避けている」とか
「悪徳医者が既得権を守るために正論を吐く筆者を集団で排除しようとする」とか
自分は正義の味方で、陰湿で権威主義的な悪い医者集団と闘っている、と主張。
週刊誌ネタになりそうな面白い構図を作って売り込むわけ。
それにしても、こういう記事が出ると必ずそのまま鵜呑みにする人が出てくる。
その結果、病気を悪化させたり、起こさなくて良い合併症を起こしたりする。
週刊誌は、ある人の主張を紹介しただけ、とか反対意見も採り上げましたとか、
自分には責任がないかのごとく弁明するのだろう。
なお、私は眼科医である。
週刊誌に出ている手術や薬は私の日常臨床とは無縁だ。
つまり、週刊誌の記事に対して直接の利害関係はない。
(記事が出て自分が処方している薬を非難されて反論したわけではない)
むしろ、記事に登場する高血圧の薬を私は自分で処方してのんでいる。
これからものみつづけるつもりだ。
(2016. 7.20)