川本眼科

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川本眼科だより

川本眼科だより 29311月から水曜休診 2024年6月30日

川本眼科は11月で開業30周年になります。これを機に週休2日に踏み切ることにいたしました。患者さんにはご不便をおかけすることになりますが、御理解賜れば幸いです。

週休2日でないと求人困難

週休2日はすっかり一般的となり、仕事を探す人たちは週休2日でない職場を敬遠します。求人情報では職場の雰囲気とか人間関係は分からないので、給料とか年間休日数のように数字に表れる点だけで比較されてしまいます。

つまり、週休2日にしないと優秀な人材が採れないのです。最近、川本眼科は人手不足で困っています。女性が多い職場なので、出産・育児のために休職・退職する職員が多く、補充のため求人を出していますが、なかなか応募者がいません。

病医院への受診もできない

開業して30年、幸い健康に恵まれ、現在まで大病はしていません。ただ年齢には勝てず、いろいろ身体の不調は出てきます。高血圧とか、高脂血症とか、脂肪肝とか、腰痛とか・・

でも開業医って簡単には休めません。急に休診にすると患者さんに迷惑がかかります。血液検査だけで自己判断して薬をのみ、近隣の開業医に無理を言って朝早くや夕方遅くに診てもらい、何とか凌いできました。

いざ大病院に行くとなるとわがままは通りません。でも代診の医師は簡単には見つかりません。

スタッフも通院には苦労しているようです。通院が頻繁になると有給休暇も使い切ってしまうことがあります。

病院には安心してかかりたいです。

交代で休む方法は?

毎日開けているお店などでは、交代制にしてシフトを組むことで閉店にせずに職員の週休2日を実現しているところもあります。医療機関で同じことが可能でしょうか?

大きな病院であれば可能かも知れませんが、これを実現するには職員数を3割くらい増やす必要があります。そもそも専門性の高い職種では交代要員を新たに雇い入れるのは困難です。

特に、医師は代わりがいません。現在、中京病院から月2回だけ土曜に代診をお願いしていますが、中京病院も人手が足りないということで、それ以上は断られてしまっています。

結局、この案は不可能という結論です。

水曜休診にします

週休2日には、土曜休診案、月曜休診案もありましたが、結局週の真ん中の水曜休診に落ち着きました。

土曜休みは一般企業と同じです。大きな病院はどこも土曜休診です。そのせいもあって学会はたいてい土日に開催され、開業医は参加困難です。土曜休診にすれば学会に参加しやすくなります。

しかし、「平日はとても休めない。土曜しか来られない」と土曜診療の要望が非常に強いため、この案は断念しました。

月曜休診は私の当初の主張でした。やはり連休のほうがありがたいです。月曜祝日は多いけれど何とかなっています。そうは言っても、連休だと患者さんは不便です。結局断念しました。

毎週水曜休診に変更しました

当初「同じ週に祝日がある場合は、水曜は今まで通り午前中だけ診療」とお伝えしましたが、その後「毎週水曜休診」に変更いたしました。

職員も完全週休2日を望んでいますし、求人の際の訴求力が弱くなります。患者さんにとっても分かりやすいほうがよいと思います。

拙速の変更で申し訳ありません。

診療時間は今までと同じ

週休2日にする代わりに診療時間を長くする案を検討しましたが、結局断念しました。川本眼科には子育て中の職員が多く、朝の診療開始を早めるのも、夕方診療終了を遅くするのも、家庭生活に及ぼす影響が大きいのです。今の勤務時間でも精一杯だということがわかりました。

診療時間は今まで通り、午前は9時から12時、午後は2時から5時までです。ただ、運用を見直し、午前も午後もできるだけ早く検査を始めるよう努力します。

混雑を緩和する対策は?

休みが多くなればその分混雑することは予想されます。そうでなくても川本眼科は混んでしまって待ち時間が長いのが不評です。2時間待ちになることもしばしばで、申し訳ないです。

対策を考えてみました。

1つは受診間隔をあけることです。初診の数は医師が決めることはできませんが、再診時期なら医師が指示できます。ただ、病状によって自ずから適正な受診間隔は決まってくるわけで、間隔をあけるにも限界があります。

例えば緑内障の場合なら、安定していて進行が止まっていれば3ヶ月に1回で大丈夫ですが、眼圧の変動が大きく視野が悪化していたら毎月診る必要があります。

1つは検査を減らすことです。たくさん検査すれば当然時間はかかります。例えば視野検査もして散瞳もすれば1時間はかかります。何も検査しなければ10分ですむ可能性もあります。短い方が待ち時間は減りますが、患者さんはきちんとした診療を求めて受診するので、検査を省略して誤診や見落としが生じたら本末転倒です。

これらの対策は既にある程度実施しています。ただ、そんなに極端なことはできませんし、そういう努力をしても、少し受診者が減って余裕ができた分、気がつくと初診が増えていて結局混雑が緩和されないという状況です。

受診数を平準化する

実は、日によって混雑具合は大きく違います。

影響が大きいのは天候です。一般的に雨が降ると受診者は減ります。夏暑い時期には午前に集中し、午前中は2時間待ち、午後はガラガラなんてことも起こります。逆に空いていると期待して受診する人が多くて読みが外れることもあります。

白内障手術や硝子体注射の翌日には詳しい検査が必要なので、どうしても時間がかかります。手術や注射の件数が多いと混んでしまいます。

こういった受診者数の凸凹をなくし、平準化できれば極端に長く待たずにすみます。

その目的で予約制を試みてきましたが、失敗続きでお叱りばかり受けてきました。1人1人にかかる時間が違いすぎて時間通りにならないのです。時間を指定するのは無理がありました。

そこで「受診日と午前か午後かだけを指定する緩やかな予約制」を現在検討中です。

(2024.6)