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院長のつぶやき

院長のつぶやき 横書きの手紙で相手の名前をどこに置くか 2012年10月20日

先日、大学の後輩からアンケートの手紙が来た。
私の名前が末尾になっていたので、たしなめたところ、反論が来た。
ネット上にそういう文例があるというのだ。
「横書きでは相手の名前を冒頭に置くと決めつけるのはおかしい」という。
35歳ほど年上の私に反論するのはなかなか骨のあるヤツだと思った。
変なオヤジが変な意見を言う、と思われたのかも知れない。

この問題はなかなか面白い問題を含んでいる。
実は、私自身が学生時代にどう書くべきか悩んだ覚えがあるのだ。

もともと、日本語で手紙を書くときは縦書きが当たり前だった。
そして、縦書きの場合には確立された書式があった。
本文の後に、日付、自分の名前、相手の名前の順に書く。
このとき、自分の名前は下の方に、相手の名前は上の方に書く。

学生の時の私はこれをそのまま横書きに直そうとした。
ところが、そうすると、自分の名前の下に相手の名前が来てしまう。

縦書きの手紙書式には、前提となっている規範意識がある。
相手を立て、自分はへりくだる、という考え方だ。
それを名前を書く位置の上下で示しているのだ。
だから、相手の名前を末尾に置くことにはものすごく違和感があった。

横書きでは手紙をどう書くか、私が学生の頃にはまだ決まりはなかった。
そもそも、正式な手紙はやはり縦書きで書くものとされていた。
(というか、今でもそう考える人が多い)
結局、私は、英文の手紙書式を参考にした。
手紙の冒頭に相手の名前を置いたのだ。
日付は本文の後に持ってきた。自分の名前は末尾。
拝啓や敬具など頭語・結語は付けなかった。

その後、多くの人が試行錯誤を重ねた。
最初の頃は縦書きの順序を踏襲した人も多かった。
その後、徐々に英文書式に近い形が増えていった。
今では、「冒頭に相手の名前、末尾に自分の名前」がほぼ定着した。

少なくとも、いま私の周囲で相手の名前を末尾に書く人はいない。
そして、多くの人が相手の名前を末尾に置くのは失礼だと感じている。
確かに、横書きではそういう規範はない、と考える人もいる。
ただ、それは少数派だと思う。
(ネットではリアル社会で多数派か少数派かはわからない)
そして、失礼かどうかは感情の問題だから、理屈では片付かない。

既に自分なりの手紙の書き方を身につけた中高年はそのままでよかろう。
でも、これから世間の荒波を渡っていかなければならない若い人には、
なるべく社会生活での軋轢を少なくするために、
「横書きの手紙では、相手の名前を冒頭に置く」
をお勧めする。

(2012. 10.20)

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