院長のつぶやき骨髄バンク普及映画
骨髄バンク普及映画が完成したらしい。
題名は「迷宮カフェ」
http://www.meikyu-cafe.com/
2年くらい前に制作費が足りないと協力を依頼された。
良いことだと思って賛助会費を払った。
それからずいぶんたつ。映画の製作には時間がかかるのだなあ。
一応全国ロードショーらしい。
ただ、上映する映画館は少ない。しかも小さな映画館ばかりだ。
予定する上映期間は2週間くらいのようだ。
こんなので骨髄バンクを普及する目的は達成できるのか、心配になる。
心ある方は見に行っていただきたい。
ちなみに、東京では3/7から角川シネマ新宿で、
名古屋では3/21から伏見ミリオン座で上映される。
(2015. 2.18)
院長のつぶやきインフルエンザ・ワクチンが効かないというデマ
インフルエンザ・ワクチンが効かないというデマが広がっている。
火元はビジネスジャーナルという雑誌の記事(1/23)。
既に相当の批判を浴びたらしく、今はネット上で削除されている。
記事には簡単に確認できる事実誤認が散見される。
WHOが「ワクチンで予防できない」と言っているというのは真っ赤な嘘。
ホームページには「重篤な転機を防ぐ最も有効な手段は予防接種である」とある。
さらにWHOは毎年予防接種を推奨する対象者を列挙している。
妊婦、5歳以下の子供、65歳以上の高齢者、慢性疾患患者、医療従事者・・
記事は昔主張されて批判を受けた内容の繰り返しで全く新味はない。
私は眼科医なので、利害関係が全くない立場にある。
インフルエンザ・ワクチンは自院の職員にしか接種しない。
患者さんに打つことはなく、それで儲けることもない。
4年前に、繰り返される論争に興味を持ち、自分で調べてみた。
結論は 川本眼科だより132「インフルエンザワクチンは効くの?」に述べた。
ワクチン否定論の旗手である母里啓子(もり ひろこ)氏の論理は破綻していた。
この人の名前が出てきただけで信用できないと考えて間違いないと断ずる。
私なりに結論を出して、その後も毎年職員全員に接種を受けさせている。
もちろん、私自身もワクチンを毎年受けている。
記事は「効かないワクチンと知りながら業界の利益のために売り続けている」とも主張。
こういう陰謀論みたいな話はよくあるが、ほとんどの場合裏付けなし。
闇の世界だから大っぴらにできない、みたいな話は信用しないほうがいい。
嘘をまことしやかに見せるための常套手段だから。
オウム真理教が主張した「米軍の毒ガス攻撃」と同レベルの信憑性だ。
利益というなら、ワクチンなんてやめて大流行が起きたほうが医者は儲かる。
いや、ひょっとするとワクチン無効論が繰り返されるのは本当にそういう陰謀かも?
(冗談ですよ。念のため)
ワクチンは特に高齢者には必要だと思う。
高齢者がインフルエンザにかかると死亡リスクが高い。
デマに惑わされず、毎年ワクチンを接種することをお勧めする。
(2015. 1.26)
院長のつぶやきオーヴォ!
シルク・ドゥ・ソレイユの「オーヴォ」を観てきた。
ど真ん中の最前列という最高の席。手を伸ばせば舞台に届きそう。
近くで見ると迫力が違う。
パフォーマンスは期待に違わない。凄い。
友人はシルク・ドゥ・ソレイユの公演を見にラスベガスまで何度も足を運んだそうだ。
なるほど、それだけのことはある。
ショーを堪能し、大満足で帰ってきた。
7年くらい前に「ドラリオン」という公演を観て以来だった。
子供がいると子供が最優先になって、なかなか出かけられなかった。
演目ごとに趣はずいぶん違うらしい。
みんな観てみたいものだ。
診療をお休みして見に行けたらいいなあ、と思う。
患者さんにご迷惑をおかけしないためには代診医が必要だ。
ところが、眼科医志望者が減っているらしく、代診が難しい。
代診なしで休診にしたら顰蹙だろうなあ・・・
そんなわけで、今は夢を見ているだけだ。
でも、できたら、あまり年を取らないうちに夢を実現させたいと思っている。
(2015. 1.25)
院長のつぶやき相原先生が東大教授に
相原 一(あいはら まこと)先生が4月から東大教授に就任する。
彼は東大眼科入局が私と同期だ。
昨日、同期生が集まってささやかなお祝いの会を開いた。
専門の緑内障分野での活躍ぶりは目を見張る。
学問の上で優秀なことは間違いない。
人の上に立つものとして大切な、全体を見渡す能力にも長ける。
人格的にも文句の付けようがない。温厚で誠実で勤勉で謙虚。
誰も相原先生の悪口を言う人はいない。
東大眼科の困難な時期にふさわしい人物だと信ずる。
今教授職を引き受けることは大変だと思う。
ぜひ頑張ってほしいものだ。
相原先生と東大眼科のために、エールを送る。
(2015. 1.19)
院長のつぶやきマクドナルドの異物混入
マクドナルドが火だるまになっている。
異物混入が相次いで発覚したからだ。
マスコミは異物混入は「絶対にあってはならないこと」として報道している。
だが、本当にそうなのか。
マクドナルドをつるし上げることは正義なのか。
異物混入は今まであまり報道されることがなかった。
そうすると、一般人の意識としては滅多にないことのように感じられる。
普通はありえないミスだったのなら、非難されてもやむを得ない。
しかし、異物混入など珍しくないという証言もある。
今までも、様々な業種でいくらでも起きていたという。
従来は、大々的に発表することなく、個別に処理されてきたというのだ。
製造工程をテレビで見たが、手作業の部分が相当に多い。
自動化された工場で機械がすべて製造するなら、異物混入の可能性は低い。
手作業で作られるものについて、同じレベルを求めることは無理がある。
作業で使う手袋の破片が混入することは許すべからざることなのか。
問題は、異物混入事故の確率がどのくらいかということだ。
マクドナルドでの異物混入確率は他の食料品に比べて突出した高いのか。
それをきちんと評価しないと、軽々に非難できない。
短期間に集中した報道により、人々に与える印象に大きな影響を与える。
これを報道バイアスと呼ぶ。
中国で尖閣諸島関連の歪んだ大量の報道が反日暴動を引き起こしたのと同じ構図だ。
そして、どの程度のことなら社会が受け入れられるのかが問題だ。
例えば、生野菜なら、泥が付いていても、虫がいても、不思議はない。
長い間、それは当たり前のこととして許容されてきた。
近年、野菜でも泥も虫もいないことが求められるようになった。
ただ、そのために生産者に過重な負担がかかったり、高いコストが生じたりする。
虫をなくすために収穫後に農薬をかけるようなことも行われていると聞く。
過度な要求を控え、新鮮で安ければ十分と考えよう、と提案されている。
私も、野菜については、その通りだと思う。
たぶん、今後、多くの人がマクドナルドを買わなくなるのだろう。
そうすると業績が悪化して採算が取れなくなり、店舗閉鎖に追い込まれる。
私は1年間に1回くらいしか食べないから構わないが、
マクドナルドの店が近所からなくなったら不利益を被る消費者もいるだろう。
それは、消費者が望んでいる結果なのだろうか。
(2015. 1.11)