院長のつぶやきカラーCL調査依頼が来たけれど
カラーコンタクトの実態調査に協力依頼が来た。
厚生労働省特別研究班の事業。
日本コンタクトレンズ学会と日本眼科医会が全面協力。
12月と1月の2ヶ月間。
大事な調査だとは思う。
眼科医として協力すべきだとも思う。
毎年のコンタクト眼障害の調査にも協力してきた。
だが、悩んだ末に、今回の調査には参加しないことにした。
若干の後ろめたさは感じるが、仕方ない。
調査にあたり「説明と同意」が義務づけられている。
患者さんに以下の説明をしなければならない。
1.研究の意義・目的
2.研究対象
3.研究期間
4.研究方法
5.予想される結果
6.研究参加者の期待される利益・予想される不利益
7.研究参加の同意と撤回権
8.費用負担・研究費
9.個人情報の保護
10.研究結果の取扱い
11.研究終了後の資料・試料の取扱い
12.問い合わせ先
そして文書で同意を得なければならない。
署名するとなると患者さんも相当に身構える。
内容はただのアンケートだが、警戒されるのは必定。
なにしろ対象者は初診の患者さん。
馴染みになって信頼関係が既にできている訳ではない。
安心してもらい、納得してもらうには相当の時間がかかる。
順調にいって15分、神経質な人だと30分かかりそうだ。
それだけの時間を掛けても同意が得られるとは限らない。
同意が得られなければ全くの無駄骨である。
川本眼科は、待ち時間が長くなりすぎて困っている。
時には2時間待ちになることがある。
苦情もたくさんいただく。
そんな中で、アンケートに時間が取れるわけがない。
重症患者の診療に時間がかかるのはやむを得ない。
長時間待つ患者さんに納得していただける理由になる。
でも「アンケートのため」に大勢を待たせるわけにはいかない。
誰も納得してくれないだろう。
たぶん、多くの眼科が同じ問題にぶつかる。
その結果、調査への参加者が極端に少なくなる可能性がある。
参加施設が少なければ調査の信頼性も損なわれる。
ハードルを下げて、なるべく多くの施設が参加したほうがよいに決まっている。
匿名でのアンケートで文書による同意なんて必要なのだろうか?
質問は
「使用中のコンタクトはどんな種類ですか」
「購入したときに医師の処方を受けましたか」
「レンズケースは洗浄していますか」
「定期健診は受けていますか」
などというもので、患者さんに対する不利益など考えられない。
調査に参加する同意も、口頭で
「カラーコンタクトの実態調査に協力していただけますか?」
「はい」
くらいで全く問題ないはずだと私は思う。
(2014. 11.29)
院長のつぶやき「名医紹介」の中身はほとんど広告
週刊朝日が「新・名医の最新治療」というMOOKを出す。
(ちなみにMOOKとは臨時増刊とか別冊みたいなもの)
毎年出しているらしい。
これに広告を出さないかという提案書が郵送されてきた。
まるで取材記事のような体裁で、自院を記者に褒めてもらう形式。
カラーで、院長の顔写真、院内風景などもプロが撮ってくれる。
1ページ分なら130万円、2ページ分なら190万円。
うーん、何だかなあ。
どうも、私には納得がいかない。
記事と錯覚させる広告って言うのは、詐欺まがいの手法だと思う。
ただ金を出しただけの広告主を「名医」のように見せかける。
こういうからくりを見抜ける人はいいが、見抜けない人もいる。
見抜けない人をカモにしているわけだ。
実は、こういうやり方はごく一般的な手法である。
名医を紹介しますと謳う本やMOOKの中身は広告だらけだ。
美辞麗句を並べた広告だと思えば、だまされないで済む。
決して、素直に信じてはならない。
(2014. 11.4)
院長のつぶやき20周年記念パーティー
11月1日は川本眼科を開業した記念日。
今年は20周年になる。
お世話になった方々を招いてパーティを開いた。
82名の方がお祝いして下さった。
司会は自分でやった。だいぶとちったけれどご愛敬。
出席者に楽しんでいただくために趣向を凝らした。
・江戸家猫八さんの動物のものまね
・フルートカルテットの演奏
・20周年を振り返るビデオ
・スケッチブックリレーのビデオ
・特にお世話になった方々の紹介
料理は鉄板焼、しゃぶしゃぶ、寿司、中華そば等々
概ね好評だったようで、ホッとしている。
皆さん、ありがとうございました。
次は30周年に向けて頑張ろう。
お祝いに、川本眼科にお花をたくさん頂戴した。
診療所内が花で埋まり、置き場所がない。
お花の一部は今回お世話になった人に差し上げた。
一部は自宅に運んだ。診療所には3つだけ残した。
診療所内に飾れなくて申し訳ないが、仕方ない。
普段はお花を買っている。
一度に集中せず、時期をずらして頂戴できれば理想的だが。
解決策としては「花のギフト券」なんてものがある。
合理的だが、自分が贈る立場でも、ギフト券にはしにくい。
造花を送って下さった方もいた。それも一法だと思う。
皆様、川本眼科をこれからもよろしくお願いします。
(2014. 11.3)
院長のつぶやき政治とカネ
近頃ニュースに「政治とカネ」の話ばかり増えた。
昔もこんなことがあった・・・既視感を覚える。
確かかつての社会党が盛んに与党政治家を攻撃していた。
基本的にお金が与党に流れやすいことは想像に難くない。
野党としては攻撃しやすい事項だと言える。
大衆を感情を煽るのにもってこいのテーマでもある。
だが、これって、マスコミの取り上げ方に疑問を感じる。
何日もニュースの続報を出し続けるほどの話だろうか?
情報の取捨選択がワイドショーみたいになってきた。
うちわを配るのが法律違反か否かなんて重箱の隅の極致だ。
そもそも選挙には金がかかる。政治家はカネと無縁ではいられない。
政治家はみんな同じようなことをしているに違いない。
私は、角を矯めて牛を殺す愚は避けるべきだと思う。
白い猫でも黒い猫でもネズミを捕るのが良い猫だ。
政治家は政治手腕でこそ評価されるべきだ。
信念と見識を持ち、きちんと自分の言葉を語れること。
外国とのタフな交渉ができること。
利害が対立する中で調整することができること。
未来へのグランドデザインを描けること。
そういう評価軸こそ重視すべきだ。
清廉潔白だけど無能な政治家など、要らない。
(2014.10.28)
院長のつぶやきアルコンの最新コンタクト
アルコン主催のコンタクト新製品発表会に招待された。
(もともとはチバビジョンという会社。アルコンに吸収合併された)
場所はヒルトン名古屋。力が入っている。
酸素透過性と快適な装用感を実現した画期的なコンタクトだと力説。
ただ、前にも聴いた話の繰り返しで、新情報は少ない。
あまりにも宣伝臭が強くて、いささか辟易した。
新製品の名前は「トータル・ワン」
既に9月末に発売されたものだ。川本眼科でも扱っている。
現在、酸素透過性で一番優れている素材はシリコンハイドロゲル。
川本眼科でもお勧めしている。
ただ、シリコンハイドロゲルには欠点もある。
ちょっと固めで、装用感が高含水レンズに劣る。
それから、タンパク汚れには強いが油汚れに弱い。
女性は化粧をする。ハンドクリームを使う。
注意したつもりでも微量の油で曇ってしまう。
トータル・ワンは新技術で酸素透過性と快適な装用感を実現した。
「ウォーターグラディエント」という新技術が鍵なのだそうだ。
意味不明な用語だが、サンドイッチ構造だと考えればわかりやすい。
シリコンハイドロゲルの表面を高含水レンズが覆っているサンドイッチ構造。
外側は高含水レンズだから装用感も良いし、油汚れにも強い。
内部はシリコンハイドロゲルだから、酸素をよく通す。
当院のスタッフも使ってみた。確かに装用感は良い。
1日使い捨てタイプの中では一番優れていると言えるだろう。
ただ、外す時に指が滑りやすく、コツがいる。
それから、値段も1割ほど高くなる。
今までのコンタクトに満足しているなら、別に変える必要はない。
今のコンタクトの装用感に不満なら、試してみる価値はある。
コンタクトがすぐ汚れて曇るケースにも良さそうだ。
(2014.10.18)