院長のつぶやき金属アレルギー
私は、カシオのG-SHOCKという若者向けの腕時計をしている。
それも、デジタル式の安いヤツだ。
もともと実用性第一で高価な機種に興味がなかったせいもある。
家内はローレックスなんか買ったけれど、私には良さがわからない。
時計の命は時間の正確さだと思うのだが、カシオの圧勝である。
向こうはゼンマイ式、こっちは電波時計なのだから話にならない。
「自動巻ムーブメント」とか言うらしいが、一昔前の技術だ。
まあ、時計だと思うからそういう価値基準を持ち出してしまうが、
あっちは身を飾るアクセサリーと考えるべきなのだろう。
確かに高級感はある。ブランド力もある。でも実用性は低い。
・・・と安い時計をしている負け惜しみを述べた。
ただ、実はそれは本当の理由ではない。
金属アレルギーのため、樹脂製の時計しか使えないのだ。
原因は恐らくニッケル。汗で溶け出し、金属イオンになる。
その金属イオンが皮膚に入り込み、炎症をおこす。
一見するとあせもみたいに赤くただれる。
発症は7~8年前。それまで何ともなかったのに。
時計は3つくらい持っていたが、全部使えなくなった。
時計の本体裏側とバンドの両方が樹脂の製品を探した。
これが意外に少ない。
そもそも素材が表示されていないことが多い。
いろいろ探し回ったあげく、G-SHOCKに辿り着いた。
だから、若作りをしているわけでは決してない。
正直なところ、そんなに気に入っているわけでもない。
腕時計がチープな分、中身で勝負、と思っている。
(2013. 11.18)
院長のつぶやき食品の偽表示
車エビや芝エビという表示の多くが偽りだったと暴露された。
聞いたこともない○○○○エビだったそうだ。
産地表示も違っているものが多々あった。
有機野菜とあっても実は減農薬野菜だったとか。
私なら、料理が十分に美味しかったのなら、文句は言わない。
どうせ、そんなもんだろう、と初めから思っていたし。
だから、「許せない」「信頼を裏切られた」とは感じない。
上手に騙してもらえたら、それでもいいや、と許してしまう。
だって本物だったら、そのお値段では買えない訳でしょ?
一方で「ブラックタイガーのテリーヌ」では食欲をそそらない。
味って主観的なものだから、思い込みも大事だったりする。
もちろん、合成タンパクで作ったコピーだったら、許せない。
でも、よく似たエビを使って味も良ければ、許容範囲だ。
だが、最近の世論やマスコミにはこういう大らかさはない。
杓子定規な糾弾が、幸せをもたらすかどうかは疑問だけど。
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たぶん、業界では「みんながやっていること」だったのだろう。
小エビをすべて芝エビと表示する、とか。
十年も二十年も続いてきた慣習だったと思われる。
まだまだ、次から次に発覚すると思う。
小さな店のほうが、偽表示している可能性が高いだろうし。
店の危機管理の視点から見れば、今が発表のタイミングだ。
何社も五月雨式に発表している今がチャンス。目立たない。
これを逃すと、後では発表しにくくなる。
公表が相次ぐ背景には、そういう思惑があるに違いない。
(2013.11.6)
院長のつぶやきスタッフの教育
医療機関は医師だけでやっていける訳ではない。
医師を支えてくれるスタッフが必要だ。
とくに眼科の場合、他の科に比べで院内で実施する検査が多い。
これが内科なら、血液検査は外注、CTやMRIはセンターに依頼する。
眼科は視力も眼圧も視野も眼底も超音波も、すべて自院で検査する。
それだけに、検査を担当するスタッフの役割がとても大きい。
だから、スタッフの教育は重要だ。
スタッフ教育こそが、診療の質を左右すると言って過言ではない。
川本眼科では月に1回勉強会を開く。
医学は日進月歩、常に勉強し続けなければ遅れてしまう。
知っている病気でも、あらためて学ぶことはたくさんある。。
普段あまり出会わない病気こそ、コツコツ続けてきた勉強が役に立つ。
勉強会はスタッフが回り持ちで担当する。
人前で発表するためにはそれなりに準備が必要だ。
知識を整理し、プロとしてのスキルを磨く良い機会になる。
大きな病院での研修もやっている。
開業医と大病院とでは、遭遇する疾患の比率が異なる。
まれな病気、珍しい病気には、大病院でなければ出会えない。
それから、大病院でなければできない治療法もある。
今も視能訓練士が1名中京病院で週1回研修している。
給料は当たり前だが川本眼科が負担する。
学会に参加することも大切だ。
今週横浜で開かれる臨床眼科学会にも視能訓練士を参加させる。
医師より1日早く11/1(金)から行かせることにした。
院長・副院長は11/2(土)からの参加なのに。
スタッフ教育に力を入れてきた成果は上がっていると思う。
自分の頭で考えて判断できるようになってきた。
医師の意図をよく理解して動いてくれるようになった。
細かい指示をしなくても大丈夫になってきた。
患者さんの質問にある程度スタッフが対処できるようになった。
なかなか優秀なスタッフだと思っている。
長年努力してきた甲斐はあった。自慢のクルーだ。
もう1つ、みんなが長く勤めてくれていることも大きい。
せっかく教育しても、すぐ辞めてしまっては何にもならない。
長い目で見て人を育てることはとても大事。
そのためには長く働ける環境を整えることも必要だ。
(2013.10.27)
院長のつぶやき色覚異常検査中止10年
学校での色覚異常検査は2003年に中止された。
名古屋市の高柳康世先生が強く主張されたことが大きい。
高柳先生は「闘う女」だった。その行動力には敬意を表する。
講演し、本を著し、マスコミに登場し、厚生省に働きかけた。
その政治力を駆使して検査中止を実現させた。
なぜ色覚異常検査は中止されたのか。
検査が社会的差別を招いているというのが理由だった。
理系の大学が軒並み門戸を閉ざしていた時代もあった。
実験のとき呈色反応がわからなくて困るというのだが、こじつけだ。
その後制限がほとんど撤廃されても実は困ることはほとんどなかった。
こういう無意味な制限を「検査しない」という強硬手段で打ち破ろうとしたのだと私は理解している。
ただ、さすがに検査中止は行き過ぎだったと思う。
色覚異常の人が、その事実を知らずに世の中に出ていくことになるからだ。
事実を知っていれば回避できた問題に直面して本人が困ることになる。
もちろん重度の異常なら当然気づく。
しかし、軽度の場合は本人や家族も気づかないことがある。
気づかずにいるとどんなことが起こるか。
例えば、絵を描くとき、服を買うとき、特異な色を選んでしまう。
周囲が色覚異常に配慮してくれないために、悩んでしまう。
色の識別が重要な職業に就いてしまい、仕事に支障をきたす。
自分が色覚異常だと理解していれば対策が取れた可能性がある。
当時も今も、私は学校で色覚検査を実施すべきだという立場だ。
基本的には遺伝で決まるから、一生に1回だけ受ければよい。
確かに、色覚異常がいじめや差別の原因にはなりうる。
だから、他人に知られることを望まない人には配慮が必要だ。
学校で検査するときは、一人ずつ個室に入れて検査することが望ましい。
結果の通知もそれぞれの家庭に郵送で届けるのがよい。
手渡しでは、異常があると公表しているようなものだから。
ただ、色覚異常の存在は別に恥ずかしいことではない。
数あるハンディキャップの1つに過ぎない。
隠すことのできないハンディキャップもたくさんある。
他人にも事実を伝えたほうが物事がスムースに運ぶことも多い。
高柳先生の志は高かった。だが、方法は誤ったと思う。
色覚検査はきちんと実施する。
そして、色覚異常者が胸を張ってその事実を口にできる社会を作る。
検査をしないこと、隠すことはかえって問題解決を難しくしている。
色覚検査を再び学校で実施することに、私は賛成する。
(2013. 10.9)
院長のつぶやき急病センターに出務
今日は名古屋市医師会急病センターの当番だった。
いつものことだが、真の眼科救急は少ない。
ものもらいとか、子供がまばたきを頻繁にするとか、目薬をこぼしたからだしてほしいとか・・
既に近くの眼科にかかっていて治りがわるいから見てくれ、と言う人。
休みの日に各科の受診をまとめてすまそうと内科・眼科・耳鼻科に同時受診している人。
比較的空いていたから今日は問題なかったが。
救急ってものを、何か勘違いしていないか。
できるだけ通常の時間帯に受診するように努力していただきたい。
まあ、患者さんを叱責するようなことはせず、にこやかに応対したけれど。
(2013. 9.29)