川本眼科

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院長のつぶやき

院長のつぶやき官僚のほうが政治家よりマシでは?

民主党の総裁選が行われている。

小沢氏にはダーティなイメージがあるが政治家に清廉潔白を期待しても始まるまい。

白い猫でも黒い猫でも鼠を捕るのが良い 猫だ、と思っている。

つまらないスキャンダルで政敵を倒すのが常道になってしまったのは不幸なことだと思う。

政治の理念や力量ではなく、あら探しばかりするマスコミはワイドショーと同レベルだ。

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ただし、小沢氏は金の問題ではなく、政策が失格だ。

政治主導って「政治家の好き勝手にやらせろ」ってことだよね。

政治家は選挙のために地元に利益誘導する人種。

政治家は、天下国家の将来よりも、とりあえず目先の選挙に勝利することを優先する人種。

財政ががたがたになっても借金だらけになっても人気取りのバラマキに走る。

子供手当も高速道路無料化も無茶な政策だとわかって修正を図ってきたはず。

小沢氏はそれを全部元に戻せと言う。無茶苦茶だ。

先のことは考えず借金をできるだけしてしまって今だけ楽しいバラマキ政治。

イソップのキリギリスと同じ。ギリシャを他山の石にする気はさらさらないらしい。

それに対し、官僚はもっと先のことを見すえた政策を立案する。

選挙がないからそれほど近視眼にならずに長期の計画が可能なのだ。

保身に走るとか現場を知らないとか官僚には欠点もあるけれど、

少なくとも優秀な官僚は平均的な政治家よりはよくできると思う。

私は「政治主導」が良いことだなどとはさらさら思わない。

(2010.9.5)

院長のつぶやき自動販売機と消費電力

この夏は猛暑だった。暑いと冷たい飲み物が欲しくなる。

院内に無料の冷水サーバーが置いてあるが、この夏は消費量がすごく多かった。

院内や駐車場に飲料の自動販売機を設置するのもサービスかと思い、調べてみた。

1台の消費電力は500~1000Wくらい。つまりドライヤーつけっぱなしと同じ。

だいたい1台で平均的な住宅の消費電力と同じだそうだ。ちょっとびっくり。

こんな電気大食らいの機械が街中にあふれているわけだ。

ある試算によると、電力会社の発電量の2割を消費している計算になるのだとか。

うーん、これは完全にエコに逆行しているなあ。

電灯をこまめに消せとか、エアコンの温度を28℃に設定しろとか言うけれど、

その前に自販機の数を減らしたほうがはるかに効果が高そうだ。

結局、自販機を設置する気はすっかり失せてしまった。

でもやっぱり、自販機は便利だけれどね!

今日も自販機で爽健美茶を買って飲んでしまった。

仕方ない。エコを願いつつ、それと矛盾した行動を取ってしまうのが人間さ。

(2010.8.25)

院長のつぶやきアドヒアランスなる言葉の危うさ

医療の世界でアドヒアランス(adherence)という言葉が大はやりだ。猫も杓子も使う。

「患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けること」

だそうだ。確かに理念としては正しい。結構なことで誰も文句は言えない。

ただ、患者さんを患者様と呼んだり、医療を客商売と規定するようなおもねりを感ずる。

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元々はコンプライアンス(compliance)と呼んでいた。「法令順守」などと訳す。

要するに、医師の指示に患者がどの程度従っているか、を意味する。

薬を指示通りのんでいなければ「服薬コンプライアンスが悪い」

通院をきちんとしなければ「通院コンプライアンスが悪い」

この言葉が上から目線だというので名前を変えてみた、というわけだ。

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けれども、言葉だけいじっても内実を伴わなければ何にもならない。

トイレを「化粧室」と呼んでも実質は何も変わっていないのと同じ。

意気込んで作り出した言葉の内容が旧態依然という例は枚挙に暇がない。

リストラは本来「事業の再構築」の意味だが今は「首切り」と同義になった。

メタボは「高血糖・高血圧・高脂血症・内臓脂肪のリスク重積状態」の意味だった。

言葉の発案者はまさか「肥満」「デブ」の別語になるとは思わなかったろう。

アドヒアランスも結局コンプライアンスという言葉を置き換えただけに終わっている。

中身は全く同じと断言して差しつかえなさそうだ。

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こういう言葉を使うことで妙な誤解がうまれないかも心配だ。

インターネットで見つけてきた真偽不明の情報にやたらこだわる患者。

医師が最善と考える薬を拒否して特殊な薬やサプリメントを使えと要求する患者。

こういう場合、患者の言うなりになることは患者に不利益をもたらす。

医師が断固とした姿勢を取り、指導したり説得したりすることは時に必要だ。

そういう場合にもアドヒアランスという言葉を使うのはおかしくないか?

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そんなわけで私は今後もアドヒアランスなる言葉を使うつもりはない。

もちろん、患者さんによく説明し納得していただくことは重要だと思っている。

大事なのは言葉遊びではなく診療の中身であるべきだ。

(2010.8.11)

院長のつぶやき専門医と総合医

医療の世界は専門分化が進む一方だ。

眼科をやっていると他科の最近のトピックスにはついていけない。

逆もまた然りだろう。内科の医師は眼科の話題はわかるまい。

眼科の中でも、角膜専門、緑内障専門、網膜専門、斜視弱視専門などと分かれる。

専門外のことでも眼科の領域に関しては必死で勉強して知識を身につける努力はする。

それでも最先端のことはついていけなくなっている。

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一方で医師として一通りのことはできるように、という要請もある。

医師なら誰でも知っているべきことがある。確かにそれは正しい。

私は救急の講習に参加したり、内科系の糖尿病講演会も聴きに行ったりしている。

ただ、焼け石に水の感もある。医学知識はどんどん増えて膨大になりすぎた。

「最低限の知識」と言ったってその範囲はきわめて曖昧だ。

大多数の眼科医は、専門領域の学会だってごく一部しか出席できない。

まして内科や他科の講演会に出席して勉強することなど不可能に近い。

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眼科医が病院の全科当直をやらされているケースは多い。

当直免除になる医師がいればそれだけ当直負担が重くなる。

私も勤務医時代にやったことがある。「医師ならできるだろう」と。

ただ、腹痛だの喘息発作だの骨折だのを眼科医が診るのって無理がある。

実際には事務が「今日の当直は眼科なので・・」とほとんど断っていた。

英語の教師が「教師ならできるだろう」と数学の授業に駆り出された感じだ。

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最近は医師会が内科系主体の「生涯教育」を始めた。

全医師が受けろということなのだけれど・・・

「胸痛」「嚥下困難」「肛門部痛」「多尿」等84項目。

そりゃあ知らないより知っていたほうがよいとは思うが眼科ではまず遭遇しない。

眼科専門医制度と医師会生涯教育は全然別の方向。

両方を全員に強制するのはさすがに無理があると思うが。

(2010.7.25)

院長のつぶやき医師会候補の落選

参議院選挙で医師会候補は3人いて、全員落選した。

候補を一本化できなかった時点でこの結果は予想されていた。

比例代表候補の当選は、個人名での投票数で決まる。

今回、民主党でも自民党でも、個人名投票が11万票あれば当選できた。

3人で17万票集めたのだから一本化していれば当選していたはず。

医師会会長は親民主党、しかし他の執行役員の多くは親自民党。

分裂したせいで組織的な選挙活動もほとんど行われなかったようだ。

いつもならポスターを貼ってくれとか要請があるのだが、今回はなし。

3年前には19万票弱集めた。たぶん17~19万票が医師会の実力か。

医師数が27万人くらいで、政治的意見も様々だからこんなものか。

看護師や従業員が医師会候補に投票することも減っているのだと思う。

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3年前まで医師会が擁立した国会議員は2人いた。

前回の参議院選挙で武見議員は落選、今回西島議員が落選。

これで誰もいなくなった。(医師出身の議員はかなりいる)

医師会の考えを政治に反映させ、予算をつけることは困難になった。

もちろん、医師は診療することが本分。私自身は政治とは距離を置いてきた。

でも、こうなるとさすがに必要な医療費まで削られるのではないかと心配だ。

(2020.7.12)

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