川本眼科

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院長のつぶやき

院長のつぶやきはざまフォーラムで講演

2月23日、『はざまフォーラム』という内科を主とする先生方の集まりで
講演をした。 場所はウェスティン ナゴヤ キャッスル ホテル。

演題は「内科に役立つ眼科の知識」。
人前で話をするのは久しぶりで
緊張したが、 まずまず好評
だったようだ。
内科と眼科の連携は重要なので、
このような催しは有意義だと思う。
講演後、いろいろと有意義な話を聞き、
情報交換することもできた。

手術ビデオを提供してくださった
中京病院の 渡邉先生・小島先生に感謝。

2008.3.5

院長のつぶやき花粉症2008

今年も花粉症の季節がやってきた。
前年の夏が猛暑であればスギ雄花の成育がよくなり、花粉が多くなる。
去年は7月の気温が低く、8月は猛暑だったので、予測が難しいらしい。
現時点の予測では、2月初旬より飛散が増え、東海地方では去年の
4割増しとのこと。
もっとも、天気予報ほど 予測があたらない。実際には少ないかも知れない。
一応、花粉が多いと考えてあらかじめ対策しておくにこしたことはない。

抗アレルギー薬の内服薬や目薬は、飛散が本格化する2週間前から使うのがよい。 かゆくなったり充血してから使い始めても、間に合わないのだ。
あらかじめ使っていると、薬が効いたという実感は薄いが、症状が出にくく、
「そう言えば楽に過ごせているなあ」ということになる。
もっとも、症状がないのに薬を使うのは、なかなかできることではない。
多忙な人ほど、必要な薬でも忘れてしまうことが多い。これは人間の常だ。
命にかかわる病気ではないので、まあ仕方がないところだろう。
それに、「飛散が本格化する」のがいつか予測するのも難しい。

「2週間前から使う」のは予防投与的なものと考えられてきたが、
別の説もある。
最近の研究では、花粉は本格的な飛散の前でも少しは飛んでいるらしい。
この時期に抗アレルギー薬を使って免疫の過剰反応を抑え込むのが
有効だという。
つまり、予防投与ではなく、既にその時点で治療になっているのだそうだ。

症状がある程度以上激しくなってしまった後では、抗アレルギー薬では
不十分だ。ステロイドの目薬が必要になる。これはよく効く薬だが
副作用にも注意が必要だ。
ステロイドは効果の発現が速く、かゆみなどのつらい症状をすぐに
取ってくれる。 ただし、眼圧が上昇することがあり、長期間使い続けると
緑内障の心配もある。
もっとも眼圧が上昇することは少ないし、きちんと眼科に通院すれば
心配はない。
かゆくて目をかきむしるよりはよっぽどいい、と思う。
症状が強いときは抗アレルギー薬とステロイドを併用し、
症状が楽になったら抗アレルギー薬だけにすることを、私は推奨している。

ただ、どんな薬を使っても、たくさんの花粉にさらされたら症状は悪化する。
薬に頼る前に、マスク、花粉ゴーグル、表面がつるつるのコートなど、
できるだけの対策をすることが先決なのは言うまでもない。
間違ってもふとんを外に干すことは避けたい。窓も開けないほうがよい。
ふだん洗眼はしないほうがよい(→川本眼科だより38「洗眼の功罪」
のだが、花粉の時期だけは洗眼も有効だと思う。

2008.2.9

院長のつぶやき川本眼科リニューアル

2008年を迎え、川本眼科はリニューアルを図ることになった。
今回のリニューアルの目玉は3点ある。

1つめはイメージネットを新機種に更新したこと。
1994年開業以来の眼底写真や前眼部写真をすべてここに保存している。
昔撮った写真もすべて瞬時に出せる。現在と過去の状態を簡単に
比較できる。
2000年に川本眼科を移転した際、現在のイメージネットを導入した。
当時は最先端だったし、今でも少数の大病院にしかない自慢の
システムだ。
しかし、8年近く経って、さすがに古くなった。
この世界は進歩が速い。思い切って、システムを全面的に
入れ替えることにした。
容量もスピードも格段に向上し、視野を取り込むこともできるようになった。
大バージョンアップだ。しかも以前の写真も全部入っている。
他院にはめったにないシステム、と自負している。 

2つめはOCTを導入したこと。
OCTは眼科診断上の革命と言われ、診断のやり方も変えた機器だ。
網膜に垂直に切った断面が見られ、いろいろな疾患の病態解明に
寄与した。
今回導入したのは最新型で、解像度がきわめて高く、3次元画像が作れる。
眼底組織内部の立体構造がいろいろな方向から自由に観察できる。
大学病院だって、これができるところは少ない。当分はうちの勝ちだ。
大学病院は旧型OCTを持っているので、簡単には新型に
替えられないのだ。

3つめは建物の改修工事をしてスペースを広げること。
車庫をつぶし、受付の奥にカルテ収納と事務のためのスペースを置く。
2階にカルテ収納庫はあるのだが、ある程度は受付に置く必要がある。
現状では受付があまりにも手狭で、さすがに無理になってきた。
また、奥に第2暗室を作る。このままではこれ以上検査機器が入らない。
眼科の進歩につれだんだん必要な検査も増える。スペースが必要なのだ。
改修工事により、視野計を増設することも可能になる。
そうすれば、検査待ち時間も減るだろうと期待している。
工事は1月末頃まで続く予定なので、ご迷惑をおかけするかも知れない。
お許しいただきたい。

今回のリニューアルで今後10年くらいは時代の進歩に対応できそうだ。

2008.1.15

院長のつぶやき眼科119番 第2版

今回はこの場を借りて本の宣伝をさせていただく。

社会保険中京病院を中核とする眼科医療ネットワーク「中京グループ」が
本を出した。
書名は「眼科119番」。5年ぶりの改訂だ。
編著者の中村友昭先生は友人だが、近視矯正手術の第一人者である。
中京病院の眼科医師十数名が分担して、さまざまな目の症状と対応法を
解説している。
やや専門的ではあるが、このくらい詳しく書かないと実際の役には
立たない。
正確さにこだわった情報がたっぷり詰まっていて読みごたえがある。
良書だ。

私も初版につづき、グループ医院としてコラムを担当させていただいた。
残念ながら印税はもらえないが、主張を広く世に知っていただく
良い機会だと思う。

値段は1470円。一般向けの本としてはちょっと高いかな。
でも、それだけのお金を出す価値は十分ある。

書店に出まわっているはずだが、インターネットなら下記で買える。
http://www.bk1.jp/product/02943626

院長のつぶやき混合診療禁止は違法

混合診療については以前にも取り上げた。(→混合診療の二重基準
混合診療というのは、保険診療と自費診療を一緒に行うことだ。
混合診療は禁止されていることになっている。
一連の診療行為で一部でも 自費診療の部分があれば、
全部を自費にしなければならないとされている。

ところが混合診療禁止にははっきりした法律上の規定はない。
これはおかしいと訴えた人がいた。
弁護士に軒並み断られたが、 弁護士なしで裁判をしたという。
なんと、一審の東京地裁で勝訴してしまった。(2007.11.7)

判決は混合診療全面解禁を意味し、影響はきわめて広範囲に及ぶ。
混合診療解禁には功罪両面がある。
医師それぞれの創意工夫が可能となり、 できることが増える。
その反面、金のあるなしで受けられる医療内容に差ができる。
これまでも長年にわたり「解禁是か非か」と大議論が続いてきた。
もし、このまま判決が確定すれば、医療制度の大変革となる。

しかし、もちろん、このまま確定することはないだろう。
医師会は混合診療解禁に 猛反対だ。(→混合診療解禁反対の署名運動
厚生労働省も混合診療禁止を維持するつもりだ。
だから、裁判はおそらく最高裁まで続くと思われる。

この判決は混合診療について考え直す良い機会だと思う。
全面解禁には確かに問題があるかも知れない。
けれでも、混合診療禁止の矛盾はあちこちに噴出しつつある。
がん患者さんなどが実際に困っているのだ。
何とかしなくてはならないし、やり方はいろいろあると思うのだが。

2007.11.8

院長のつぶやき

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