川本眼科

文字サイズ

小 中 大

院長のつぶやき

院長のつぶやき処方箋の偽造防止

処方箋を出すことはもちろん医師にしかできない。
ところが、最近はときどき処方箋の偽造事件がおきる。

一番簡単な手口は処方箋への書き足し。
最後に「以下余白」と書いておくことになっているのだが、
手書きの処方箋では途中の行に書き足しても違和感がなかったりする。
対策として、手書きをやめ全部コンピューターで印字することにした。
会計が5分ほど長くなるがご容赦いただきたい。

最も多い手口はコピーだ。
麻薬や覚醒剤に似た作用を持った薬が危ない。
薬物中毒になった患者が薬を欲しがって偽造するわけだ。
印鑑は押してあるが、カラーコピーだと本物と見分けがつかない。

そこで川本眼科では処方箋発行に複写防止用紙を使っている。
コピーすると「コピーです」「複写」などの文字が浮かび出る。
出来心でコピー機を使って偽造することは防げる。
もちろん、偽造を100%防げるわけではない。
でも目薬の処方箋を必死で偽造したって採算が合わないだろう。

複写防止用紙の欠点は字が読みにくくなること。
医療会計コンピューターを新型に替えたら印刷が薄く字が小さい。
薬剤師の先生から字が読めないと苦情が出て困っている。
もう少し印字の邪魔にならない複写防止用紙を探している。

何か根本的な対策はないものか。
紙幣みたいに”すかし”が入っていれば複写しにくいだろう。
コストが高すぎて採用できそうもないが。
QRコードの印刷も有効な対策だ。川本眼科では2月から始めた。
問題は薬局のほうもQRコード対応でないと意味がないこと。
普及するには時間がかかりそうだ。

2009.2.9

院長のつぶやき親指シフトよ、さようなら

私は1986年頃ワープロを使い始めた。富士通のOASYSという機種だ。
このワープロには大きな特徴があった。
「親指シフト方式」というカナ入力方式を採用していた。
親指シフト方式はローマ字入力よりキーボードの打鍵数が少ない。
それだけ人より速く文章を打つことができた。

パソコン時代になっても親指シフトにこだわった。
親指シフト用のキーボードをわざわざ買ってきて接続した。
初期には親指シフト愛用者は多くてそのための製品がたくさんあった。
ほとんどのソフトウェアは当然ながらキーボードを使って入力する。
キーボードの入力は速いに越したことはない。
親指シフトは私の大きな武器だった。32年間こだわって使い続けた。

ところが、去年パソコンを買い換えて驚愕した。
今までのキーボードを接続できないことが判明したのだ。
しかも新機種用の親指シフト製品は既に開発されなくなってしまっていた。
親指シフト使用者は年々減り続け、新製品開発は採算に合わないらしい。
唯一富士通の製品があったが、慣れ親しんだワープロソフトが使えない。

普通のキーボードをソフトウェア的に親指シフトにすることは可能だ。
しかし、やってみると制約が多く使い勝手が悪すぎる。
専用キーボードに比べるとひどく打ちにくい。
ソフト同士の相性問題があって、トラブルが頻発する。
1ヶ月ほど無駄なあがきを繰り返し、とうとうあきらめた。

今はローマ字入力で打っている。
ローマ字入力を前提としているソフトが多く、便利な点もある。
和文と英文が混ざっているときにはローマ字入力のほうが有利だ。
それでも、打鍵数の多さにはイライラしてしまう。
それにカナのほうが日本語の思考回路にぴったり合っている。
ローマ字だと1回余計なフィルターを通している感じがする。
外来語をつい英語のスペルで打ってしまう間違いもしょっちゅうだ。

親指シフトの新しいハードを誰か開発してくれないか、と思う。
でも親指シフト使用者が絶滅しかけている今は無い物ねだりだろう。

だんだん慣れてはきたが、やっぱり親指シフトが懐かしい。
親指シフトよ、さようなら。君は偉大だった。

2009.1.8

院長のつぶやき裁判員制度と医師

裁判員制度が始まるらしい。欧米の陪審員制度がお手本のようだ。
だが、そもそも欧米の陪審員制度は良い制度なのかどうか?
陪審員は論理より感情に流されやすいと言われる。
弁護士が感情に訴えて有利な判決を引き出すことも多いらしい。
職業裁判官だって誤審はするだろうし、偏った判決はあるだろう。
それでも一般人よりはまだ冷静な判断ができるのではないか?

「十二人の怒れる男」という陪審員制度そのものが主題の映画がある。
ある陪審員が有罪の多数意見に反対し、議論の末無罪の評決を下す。
ほら、陪審員制度は素晴らしいでしょう?という映画だ。
しかし、もしこの陪審員がいなかったら簡単に有罪になったに違いない。
図らずも陪審員制度の危うさを露呈しているのだ。

O・J・シンプソン事件というのもあった。
黒人主体の陪審員たちが人種問題から無罪の評決を出したと言われる。
逆に民事裁判の陪審員は白人主体で彼が殺人を犯したと認定した。
刑事裁判と民事裁判で全く逆の結論だったわけだ。

どうも、裁判員制度のほうが真実に近づけるわけではなさそうだ。
始まる前から問題点ばかり目につく。

利点は、裁判に誤りがありうることを国民が認識することだと思う。
職業裁判官だって神様ではない。限られた情報で判断するわけだし。
幻想を捨て、裁判には限界があるとみんなが理解するのは良いことだ。

ところで、医師が裁判員制度に参加するのは難しそうだ。
開業医なら普通医師は一人しかいない。
そして、医師がいなければそもそも診療はできない。
看護婦や視能訓練士や事務が何人いても患者を診ることはできない。
裁判の間クリニックは休業、スタッフ全員休暇を取るしかない。
そんなことになったら患者さんも困る。非現実的だ。

病院だって、1つの科に医師は数人しかいない。一人のこともある。
普段から医師の人数は不足気味で過重労働を強いられている。
外来の人手がなく、診察2時間待ちなんてざらにある。
そんな状況で、裁判に参加するから休むなんてできるわけがない。

結局、医師はほとんど裁判員を辞退するしかないだろう。
広く国民に参加してもらうのが制度の趣旨。しかし医師は参加しない。
どこまで不参加を認めるのか、今のところ不透明だ。
ただ、暇な人だけ参加し、仕事で多忙な人は参加しないなら、
裁判員の顔ぶれはずいぶん偏ったものになりそうだ。

2008.12.17

院長のつぶやき医師のモラル?政治のモラル?

10月4日に妊婦が脳出血を起こし、受け入れ先がなかなか決まらず、
結局死亡するという事件があった。

このとき、二階俊博経済産業大臣はわざわざマスコミを集めた上で
「政治の立場で申し上げるなら、何よりも医師のモラルの問題だと
思いますよ。忙しいだの、人が足りないだのというのは言い訳にすぎない」
と発言した。失言ではなく用意のコメントである。

驚きあきれて物が言えなかった。
医師自身や一般人の発言ではない。この人は行政の長だ。
この人は少しでも医療問題を勉強しているのか?
こんな人が行政の指導的地位にいていいのか?

抗議の声を受けて、二階氏は発言を撤回した。
しかし、撤回ですむ話とは思えない。

医療費抑制政策のツケが回ってきて、次々に問題が起こっている。
特に産科・救急・地方の医療は危機に瀕している。
それは政策の失敗によるものだ。何よりも政治の責任だ。

救急や産科の人手が足りない。決して医師がサボっているわけではない。
救急医や産科医は過酷な勤務に耐え、過労死しそうなほど頑張っている。
政治家が自らの責任に頬かむりして医師に責任転嫁するのは言語道断だ。

2008.11.24

院長のつぶやき胡蝶蘭

川本眼科は2008年11月1日に開業14年になった。
スタッフがお祝いに立派な胡蝶蘭を贈ってくれた。
こうやって気にかけてくれるのは本当にうれしい。
これからも頑張っていこうね!

開業当初から働いてくれているスタッフもいる。
私も歳を取ったが、彼女らも歳を取って、今では40代が主力である。
ちょっと動きが鈍くなっているかも知れないがお許しいただきたい。
その代わりに経験を積んで、川本眼科のことを知り尽くしている。
私が指示をしなくても先回りして仕事を済ませてくれる。
かけがえのないスタッフたちだ。

ベテランと新人で協力して良い医療の提供に努めたい。
これからも川本眼科をよろしく。

2008.11.3

院長のつぶやき

最近の投稿
2020年8月2日
最近の川本眼科
2020年6月8日
コロナの日常
2019年11月4日
名古屋市医師会急病センター
2019年11月1日
川本眼科25周年
2019年2月25日
リニア新幹線
2019年2月3日
北側への増築工事
2018年4月26日
受診されていない方のお問い合わせ
2018年4月16日
身体障害認定基準の改正
2018年4月13日
スマホの買い替え
2018年2月25日
入試出題ミス救済処置への疑問