院長のつぶやきインフルエンザ/タミフルとマスコミ報道
新型インフルエンザ騒ぎはどうやら一段落したようだ。
感染者が1人出ただけでパニック状態だった。休校にしたり。
このときのことを後から振り返ってみれば明らかな過剰反応。
逆に、今はマスコミが報道しないから軽視する人も出てくる。
本当は、最初の頃より毎日発症する人の数はずっと多いのに。
私たちはマスコミが流すニュースに影響されやすい。
インフルエンザで毎年死者が出ていてもマスコミが報じなければ無関心。
今年は少数の死者でもマスコミが発掘して報じるので怖くなった人は多い。
その結果、新型インフルエンザのワクチンが奪い合いみたいになった。
例年も死者は出ているのにインフルエンザのワクチンを受ける人は少なかった。
ごく少数に出る副反応のことばかり報道されるせいもある。めったに起きないのに。
副反応を心配する人も、インフルエンザで死ぬ人が大勢いることは念頭にない。
治療薬タミフルも救世主のような扱い。発熱期間が1日短くなる程度の薬なのだが。
ちょっと前まで異常行動をおこす怖い薬だと使いたくない人が多かったのに。
異常行動をおこすことを一般の人は忘れてしまったかのように見える。
どの程度の頻度でおこるのか、を常に確かめることが大事。
そうでないとマスコミ報道に踊らされ、愚かな行動に走ることになりかねない。
(2009.12.23)
院長のつぶやき事業仕分けと景気対策の矛盾
鳴り物入りで行われた事業仕分け。
無駄遣いをやめればお金はあるというのが民主党の主張だったけれど・・・
削ったのはスーパーコンピューターの開発とか大学への研究費助成とか。
えっ? これってどうみても将来のために必要な投資じゃないの?
科学や先端技術の分野で中国や韓国の後塵を拝しても構わないわけだ。
スポーツ団体に出す金も削るらしい。金メダルなんか要らないという潔さ。
漢方薬もどさくさまぎれに保険が使えないことにするらしい。ええっ!?
日常漢方薬を常用している人たちはものすごい負担増。
医師不足などへの対策に医療費を増やすという公約も反故にするらしい。
1時間ほどの大ざっぱな議論で1割予算を値切るどんぶり勘定。
そうやって3兆円を無理やり捻出してガソリン税を下げるのだそうだ。
冗談じゃない。それこそ無駄なバラマキ政策というしかない。
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怒っていたら、今度は景気対策で7兆円支出するのだそうだ。
一方で必要な支出をケチって景気を冷やし、別のところで大盤振る舞い。
両者は矛盾した政策で、誰が見てもちぐはぐなことをしている。
民主党はお金の使い方を間違えているような気がしてならない。
もともと財源問題は民主党のアキレス腱。主張の無理が露呈した。
マニフェストにこだわりすぎず現実に沿って政策を修正してほしいものだ。
(2009.12.9)
院長のつぶやき南圭会で1時間講演
11月17日に南圭会で1時間講演してきた。
南圭会というのは名古屋市南区の開業医を中心とした勉強会。
内科小児科の医師が中心。月1回程度のペースで開催される。
眼科の現状や眼科と内科の接点について話をした。
他の科の先生方に自分の科のことを知っていただくのはありがたい。
科同士の連携も円滑になるし、相互理解も深まる。本当に良いこと。
熱心に聴いていただき、講演後の質疑応答も充実していた。
勉強熱心なことに頭が下がる。
勉強会をしてももちろん一銭ももらえるわけではない。持ち出しばかり。
内科の先生にしてみれば眼科のことなど知らなくても診療はできる。
向学心だけ、自己研鑽の努力だけなのだから素晴らしい!
医師同士のメーリングリストでもより良い医療を目指した質疑や議論が多い。
日本の医療は諸外国に比べ安くて質も高い。ほとんど奇跡的。
それは医療の裾野を支えている開業医のレベルが高いからだと思う。
一般の人たちはたぶんそのありがたみをわかっていないだろう。
空気のようにあたりまえで、失って初めてわかることって結構ある。
(2009.11.23)
院長のつぶやき遠距離の患者さん
遠方から受診の問い合わせがあった。
新幹線と在来線を乗り継いで5~6時間はかかりそうな地域にお住まい。
白内障術後ずっと痛みが取れないので診てほしいという希望。
手術した先生には「私にも原因はわからない」と言われた。
県内の大学病院にも行ったが「手術は完璧」と言われた。
お話を聞き、なるべく近くの先生を探すことをお勧めした。
川本眼科に月1回なら通うとおっしゃっるのをやんわりお断りした。
患者さんには冷たく思われただろうが、やはり無理だと思う。
こういうケースは患者さんの訴えに耳を傾け、根気よく付き合うしかない。
精神的な問題もからむ。手術前後の医師の言動に問題の種が潜んでいたりする。
1回受診しただけですべて解決するはずがないのだ。
気長に経過観察が必要な病気に遠距離受診は向かない。
遠距離でも大丈夫なのは目的が明確でやるべきことがはっきりしている場合。
例えば北海道や九州から白内障手術を受けに来た人がいる。
手術さえ済めばまた地元に戻ればよい。短期間の滞在で大丈夫。
遠距離受診の可否はケース・バイ・ケースとしか言いようがない。
(2009.11.14)
院長のつぶやき川本眼科15周年
11月1日、川本眼科は開業15周年を迎えた。
スタッフからお祝いに胡蝶蘭をいただいた。みんな、ありがとう!
大変な思いをしたことも過去にはあるけれど、今は概ね順調と言えるかな・・
多少手狭ではあるが、簡単に広げるわけにもいかない。
大勢の患者さんが受診して下さっている。長い人は10年以上!
もちろん、医療機関と縁が切
れたほうが患者さんにとっては良いのだが。
一番多い苦情は「待ち時間が長い」 申し訳ありません。m(_ _)m
説明を短く省略すれば待ち時間は短くなるが、それでは患者さんは満足しない。
完全予約制も何度も検討したけれど、たぶんうまくいかないと思う。
この問題はいまだ解決策を見いだせずにいる。
誠実に、私にできる限りの医療を提供するということでお許しいただきたい。
(2009.11.7)