院長のつぶやきみなさま、良いお年を
本日12/29は川本眼科の診療納めだった。
先週、先々週はかなり混雑したが、ここ3日ほどはわりと空いていた。
混雑を予想して来院を控えるために意外に空く、ということだろうか。
それとも、世間はもう正月休暇モードになったということだろうか。
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衆議院選挙は予想されていたとはいえ、自民党の圧勝で終わった。
政治が安定するのは良いことだ。
ねじれ国会、与野党の対立で何も決まらないより良い。
スピード感をもって政策が実行できるだろう。
ただ、比例で28%しか得票できない党がこんなに勝つのはおかしい。
民意を正確に反映した上で「ねじれ」が起こらない制度が望ましい。
私の一押しは比例代表一院制だ。
政党乱立を防いだり政権を安定化させる方策は別に考えればよい。
自民党が天下を取っているうちは制度変更は無理だろうが。
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安定は望ましいが、原発に反対する立場からは困った結果になった。
自民圧勝で、原発も次々と再稼働し、復権するのだろう。
原発関連の閣僚を見れば原発推進派、原発容認派ばかりだ。
原発というのは今の世代が得をして負の遺産を後世に残す仕組みだ。
大事故は私の生きているうちには起こらないだろう。
でも子や孫の代には起きるかも知れない。
放射性廃棄物もわれわれの世代が直接被害をうけるわけではない。
でも将来世代には相当な迷惑をかけるかも知れない。
倫理的に罪悪感を感じる。でも、自民圧勝が「民意」だから仕方ない。
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それから、未来の党はもう分裂するらしい。ええっ!?
1票を投じた立場からは衝撃だ。裏切りに等しい。
もともと、政党の体をなしていないのはわかっていた。
それでも、反原発の意思表示として投票したのだ。
解党すれば責任はうやむや。あれは選挙目当てのスローガン?
ほとんど絶句するしかない。
あの人たちは信義に反した。政治家としてはもう終わりだ。
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安倍氏人気で株も為替も良い方向に向かっているそうだ。
ただ、私にはこの人の政策はミニバブルをおこすことのように見える。
その後の深刻な副作用を心配するのは杞憂だろうか?
新政権が私の憂慮を裏切り、経済をうまく運営してくれることを願う。
希望は「政治主導」から「官僚を使いこなす」への転換だ。
官僚は優秀だから、結構うまくやってくれるかも知れない。
(ただ、度の過ぎた官僚バッシングで若い優秀な人材が少なくなったらしいが)
医療の未来がどうなるかは政策次第というところがある。
政策のぶれに医療関係者は悩まされてきた。
安心して医療に従事できるような安定した政策を新政権に期待したい。
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つまらない愚痴を書き連ねました。
新年が旧年より良い年でありますように。
みなさま、どうぞ良いお年をお迎え下さい。
(2012. 12.29)
院長のつぶやき野田首相は一番まともだった
総選挙で民主党が惨敗し、自民党が勝利するのは確実なようだ。
そうすると次の首相は安倍氏になるのだろう。
確かに民主党の3年は褒められたものではない。
当初から実現性が危ぶまれたマニフェストは案の定ことごとくこけた。
しかし、野田氏と安倍氏を比べれば、野田氏のほうがはるかにまともだ。
小泉氏以後の歴代首相の中では一番まともだと思う。
八方ふさがりの政治状況の中でもそれなりの仕事をした。
国民に受けが良くなくてもやるべきことを理解している人だ。
感情論に流されやすい中韓との紛争でも冷静な対応を保ったのはもっと賞賛されていい。
選挙後は確実に退陣だろうが、惜しいことだと思っている。
もっと手腕を発揮できるような環境でもう一度首相をさせてみたい人だ。
対して、安倍氏ははるかに程度が低い。
わざわざ選挙をやって、出来の悪いリーダーに取り替えるのは本当は愚の骨頂なのだが・・
特に安倍氏が経済のことを何もわかっていないのには言葉を失った。
「輪転機で札束を刷れば景気が良くなる」って・・本気で言っているなら本当のバカだ。
まあ、さすがに本気ではあるまい。
彼の本意は公共事業を前みたいにどんどんやれということだろう。
そのために必要な建設国債を発行して日銀に引き受けさせる、ということ。
そういう政治が批判されて政権交代があったのだが、自民党はちっとも変わっていないなあ・・
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今回の選挙に関しては医師会からの働きかけは全くない。
自民派・民主派の両方がいるから動くに動けないのだろう。
無党派の私としてはありがたい。
さて、どこに投票するか考えてみた。
前にも書いたように一番の関心事は原発問題だ。
他の問題は長期的にはどの党でもさほど変わらないからだ。
TPPはどうせ交渉のテーブルには着かざるを得ない。
あとは圧力団体や外国との力関係で決まる。
実はどこの党が政権を担当しても同じこと。
政権につけば現実的にならざるを得ないから。
税金も社会保障の水準を下げない限りいずれ増税は避けられない。
だからあとは最適なタイミングを見計らうだけの話。
増税しないと言っているのは選挙目当ての無責任。
原発は違う。これが正念場だと思っている。
最初に決めた方針で将来がガラリと変わるからだ。
巨額の金が動き、途中で舵の向きを変更するのは容易ではない。
エネルギーはインフラの一番根本のところにある。
だから最初の方針が大事。
10年先送りすれば原発に依存しない社会はできっこない。
だから、自民党の主張は原発推進ということだ。
維新も石原氏を党首に据えた時点で変質した。
核武装主義者ですからね。原発は原爆を作るために必要なはず。
私は石原慎太郎は嫌いなので維新には投票しない。
脱原発の立場から考えると比例は「未来の党」かなあ。
民主党に入れても脱原発の意思表示とみなされない恐れがある。
共産党や社民党への投票も色眼鏡で見られそうだ。
「未来」は政党の体をなしていないし、集合離散しそうだけれど、他に選択肢がない。
小沢色が気になるが、仕方がない。
小選挙区は死票が多いので情勢を見極めて投票する必要がある。
少数政党に入れても無駄になる。
上位2位までの候補者を事前に判断し、自分の考えに近いほうに投票する。
たぶん1位は自民候補なので、対抗馬に投票するつもりだ。
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それにしても、小選挙区制は問題の多い選挙制度だ。
選挙結果はいびつで風次第で議席数があまりに大きくぶれる。
3分の2を超えるようなモンスター与党が出現するのは困った制度だ。
民意をきちんと反映するのはやはり比例代表制だと思う。
自民党には小選挙区制が有利なんでしょうが。
(2012.12.7)
院長のつぶやき便利そうなものは壊れやすい
最近、立て続けにモノが壊れる。
この1週間で食器洗い機が壊れ、ガス式衣類乾燥機が壊れた。
今日、車のボンネットを開けたら、ダンパーがダメになっていて、片手で支えていないと閉まってしまう。
支え棒に比べて便利だったのだが、支え棒と違い、寿命があるらしい。
仕方ない。何しろ、1995年以来17年乗り続けてきた車だもの。
ついでに言えば、ハンドルの上下が電動でできるはずが壊れていると車検の時に言われた。
私しか乗らないから、不便はない。直すと○十万円かかるとか。
これを使ったのは数回だけ。10回は使っていない。もちろん直さなかった。
だいたい、便利なものほど仕組みが複雑ですぐ壊れる。
自動ドアは便利だが、故障すると厄介だ。重たくて開閉しにくい。
今まで3回くらい修理した。普通のドアなら壊れることはまずないのに。
電子錠が壊れたときも往生した。
なんと!同じものが生産中止でシステムごと全部取り替える必要があるとか。
生産中止後8年経つと部品がなくなって修理もできなくなるって・・唖然。
ワンタッチ式の折りたたみ傘は便利そうだったが、あっという間に壊れた。
今は「手動式が一番」とつぶやく私・・
可動部分や電動部分があると、寿命がある。
定期的に修理するか取り替えるしかないのだ。
シンプル・イズ・ベストは多くの場合に正しい。
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医療現場でも同じようなことはある。
ペースメーカーなどは電池の寿命などの関係で交換が必要なようだ。
人工関節も10年くらい保つけれどそれ以上は保証できないとか。
それに比べ、眼内レンズの寿命は長い。
何しろ、可動部分がない。何十年も使われて問題ないことはよくある。
材質にもよるけれど、だいたい一生保つと考えて間違いなさそうだ。
眼内レンズに調節(ピント合わせ)機能を持たせようという発想がある。
レンズを前後に動かしてピントを合わせ、老眼鏡を不要にする。
なるほど便利そうだが、はたして耐久性はどうか?
数年でうまく動かなくなる可能性は高い。
そうすると、また手術して交換するしかない。
だから、可動部分のある眼内レンズは、慎重に考えたほうがいい。
使用し始めて10年経たないと壊れやすいかどうか判明しないわけだし。
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対策は何だろう?
便利なモノを使わないのが究極の対策だが、そうもいくまい。
1つはなるべく壊れないように耐久性を高めることだろう。
その上でなるべく長く使い続ける。
いずれは壊れるとしても、私の車みたいに17年乗れば元は取れる。
もう1つは、部品を交換しやすいようにしておくことだ。
眼内レンズは簡単に交換できないがメガネなら容易に替えられる。
セールストークにだまされないよう気をつけながら、
「便利だけど複雑で壊れやすいモノ」と上手に付き合っていきたい。
(2012.11.11)
院長のつぶやきドナルド・マクドナルド・ハウス なごや
ドナルド・マクドナルド・ハウスをご存じだろうか?
これは入院する子供の家族が利用できる滞在施設だ。
http://www.dmhcj.or.jp/
病気の子供が入院すると、家族の負担も大変なものがある。
難病なら、自宅から遠く離れた病院に長期入院を余儀なくされる。
時には数ヶ月、時には何年も付き添わなければならない。
多くの親が病院に泊まり込む。
ソファーや床に寝る生活。コンビニ弁当で済ますような食事。
それが来る日も来る日も続く。
肉体的にも、精神的にもぼろぼろだ。
ちろん、経済的にも負担はものすごく大きい。
自宅から通えたとしても、大変なことに変わりはない。
新幹線を使って、2時間もかけて通う人もいると聞く。
子供に兄弟がいれば、その子もつらい。
こういう家族の負担を軽減するために米国で誕生したのだそうだ。
ファーストフードのマクドナルドが支援している。
今や世界中に300のハウスがあるそうだ。
このハウスが名古屋にもできることになった。
名大病院の敷地内に建設される。
大学病院にできるのは東大病院についで2番目。
日本全体では9番目。
建設資金は3億円。1億円はハウスの財団が調達する。
残り2億円は地元の募金活動で賄わなければならない。
趣旨に賛同し、私も10万円寄付することにした。
幸い、自分の子供たちは健康に育ってくれた。
その幸運に感謝して、ささやかな協力をしたい。
心ある方は募金をよろしくお願いいたします。
なお、寄付をすると所得税から控除を受けられる。
(2012. 11.04)
院長のつぶやき川本眼科開設18年
今日は川本眼科の創立記念日だ。
18年前の1994年11月1日に開業した。
ずいぶん昔のような気もするし、あっという間だった気もする。
開業の時にいろいろ理想を考えた。
「画像機器を大胆に導入して視覚的にわかりやすく説明」
「丁寧に説明し患者さんの納得を得た上で治療方針を決める」
「病診連携により最先端の医療にまで対応する」
「患者さんにフレンドリーな雰囲気づくり」
「スタッフ全員が医療知識を持ち、患者さんの質問にも答えられる」
「院長の考え方を全員がよく理解し実践する」
等々。
ある程度のことはやり遂げたという自負はある。
ただ、こういうことには完成はない。
時代も変わっていくから、やり方も少しずつ変える必要がある。
医学は日進月歩だ。時代に取り残されぬようにしなければならぬ。
アンテナを張り巡らし、新しいことに挑戦することも必要だ。
それでもいつも変わらないこともある。不易流行というやつ。
例えば「丁寧な説明」の必要性はいつも変わることがない。
最近混雑しすぎて時間をかけた説明が難しくなっているが・・
考えてみれば、人間なら18歳は若者だ。
これからも、若々しい気持ちで、頑張っていきたい。
今後ともどうかよろしくお願いします。
(2012. 11.01)