川本眼科だより 215予約制 補足説明 2017年12月31日
予約制を始めますと事前アナウンスしたところ、皆様から様々な反応がありました。歓迎する声がある一方で、とても不安に感じる方もいらっしゃるようです。
今回は、予約制に対するご懸念、ご要望、ご質問に対して回答させていただきます。
予約制は、待ち時間を短くすることを目的としています。予約制が期待通りの効果をもたらしてくれることを期待しています。
なぜ予約制を導入するのですか
予約制なんてやめて欲しい
これは一番多い反応でした。予約制なんて面倒くさいことはするな、という意見です。根底には、好きなときに受診できないのは困るという懸念があるようです。医師に直接は言いづらいのか受付で意見される方が多かったようです。
確かに、来院順に診ていくのは最も公平ではあります。ただ、その結果何が起こるかというと、開院前からの行列、朝一番に患者さんが集中して混雑、そして長い待ち時間です。
患者さんが適当に分散して受診して下されば、待ち時間は短くなります。分散のために予約制は有効だと思います。待ち時間が短くなるだけでなく、待合室の混雑も緩和するでしょう。
実際、われわれの経験では、白内障術後1週間を予約にすることで、受診が分散し、混雑が緩和しました。それまでどうだったかと言うと、手術翌日は朝早くに術後の患者さんが集中し、大混雑になっていました。
予約制を導入している他の医療機関でも、待ち時間の短縮につながったと聞いています。
時間予約にしてほしい
今回は「順番予約」という予約方法です。これは家にいたままで番号札がもらえると考えればわかりやすいでしょう。待ち時間を診療所の待合室で過ごさなくても、家で好きなことをしていられるわけです。そして順番が近づくとEメールでお知らせしますので、それから出かけていけば良いわけです。
現状よりだいぶ便利になるはずですが、きっちり診察時間が決まっているわけではありません。時間を指定して欲しいという声もありました。
時間予約は歯科医院では一般的です。正確に時間が決まるので、多忙な人にはありがたいです。
しかし、眼科での導入は困難です。1人1人にかかる時間にバラツキが大きく、それも診察結果によって追加の検査をすることになったり、手術の予定を立てたりするので、事前に所要時間を予想することが難しいのです。患者数が少なくて診療にゆとりがあれば途中で時間調整ができますが、現状は満杯でフルスピードで診療しても間に合わないわけで、どんどん遅れてしまいます。
時間予約にした場合、時間通り正確に来院したにもかかわらず1時間以上待たされるという事態が多発することが予想されます。
スマホもパソコンも持っていません電話で予約できませんか
高齢者ではインターネットを全く使わないという方も相当数いらっしゃいます。携帯電話は持っていても、通話専用でネットはしないということも多いようです。
眼科の患者さんは高齢者が多いのが特徴です。ネット予約を導入するとき、これは一番の問題点でした。小児科、産婦人科、耳鼻科でなら支障がなくても、眼科では上手くいかないこともありえるのです。
電話予約を受けるとなると、受付業務が電話応対に手を取られ、パンクしてしまいます。患者さんにも迷惑がかかってしまいます。
予約しなくても受診できるように
そこで、予約しなくても直接受診していただけるような制度設計をすることにしました。
本当は、全員が予約したほうが、患者の分散という点では良いのです。でも、仮に半分の方が予約するだけでも、混雑を緩和するメリットはあると考えました。
予約を取らずに直接受診すると不利に扱われるのではないかという心配も多くの方からいただきました。なるべく予約していただくように、通常はそのような運用がされることが多いようです。
そういう心配を払拭するために、思い切って、1~8番は直接受診の方に割り振ることにしました。開院前から並んでいただいている方を優遇する処置です。逆に言えば、ネット予約では朝一番は取れないということです。メールで通知が行くのですから、それでもいいだろうと考えました。
9番以降はネット予約と直接受診に交互に番号を割り振ることにしました。これで直接受診でも不利にはならないはずです。
一部の検査・処置は時間予約で
今までも、一部の検査・処置に対しては時間を指定して予約をお取りしてきました。具体的には、レーザー治療、外来手術、眼鏡処方、白内障術後1週間、数日ごとに診察が必要な場合、です。
これらの予約は、従来通り電話でのみお受けすることにしました。スタッフがいろいろな条件を勘案して柔軟に対処することが必要だからです。
当初はこれも予約システムに統合することを考えていたのですが、紙の予約帳のほうが融通無碍で便利ということになりました。
視野予約はネットでも電話でも
視野検査だけは、30分ごとに検査を入れていて時間予約に適しているので、ネットでも予約できるようにしました。ネットで変更も可能です。予約できるのは従来「約1ヶ月前」と曖昧でしたが、「6週間前から」と明確化しました。
従来通り電話で予約することもできます。その場合、こちらでネット予約を代行するような形になります。
なお、視野には予備機があり、緊急の検査が必要なときに使っていますが、検査人員に余裕があれば予備機での検査をお受けできる場合があります。予備機の予約は院内のパソコンからしかできませんので、受診時か電話でご相談下さい。
時間予約の人数を確認できます
時間予約の人が何人入っているかは、その日混み合うかどうかを判断するときに重要な情報です。例えば、白内障手術翌日は検査が多いので、手術後の予約がたくさん入っていると混雑します。手術件数は日によって2人しかいないこともあれば10人以上ということもあります。
そこで、予約サイトに、時間予約・視野予約の人数を表示することにしました。もちろん、混雑の原因はそれだけではありませんが、参考になる情報だと思います。
(2017.12)