川本眼科だより 229電話とネットとWiFi 2019年2月28日
開業してもうすぐ25年になります。この間、眼科医療機器の進歩・開発には目覚ましいものがあり、川本眼科で使う機械はどんどん新しいものに替わっていきました。
電話とインターネットも25年で大きく変わりました。川本眼科では増築にあたって構内電話のシステムを全面的に入れ替えることにしました。
この機会にどう変わっていったのか振り返ってみたいと思います。
電話番号を交渉した思い出
25年前開業した時、電話局で電話加入を申し込みました。その際、最初パッとしない電話番号を提示されたのですが、これから開業するのでもう少し良い番号がもらえないかと懇願したところ、今の824-0800がもらえました。その後電話番号が不足気味になったため、こういう裁量は現在ではできなくなったようで、大企業でも3つ提示された中から選ばざるを得ないそうです。
0800は気に入ったので、その後車のナンバープレートも0800にし、携帯番号の末尾4桁も0800にしました。覚えやすいですよね!
その後、電話はアナログのプッシュ回線からデジタルのISDN回線に変わり、複数の電話会社から選べるようになり、さらには光回線を使ったひかり電話に変わりました。そういう変化の激しい中でも、電話番号だけは最初にもらった0800を使い続けています。
昔は市外通話は遠距離になるほど高かったので長時間通話を避けていましたが、今では日本全国一律3分8円です。国際通話でさえ相当に安くなり、ありがたい時代になりました。
公衆電話もピンク電話も消える
25年の間に携帯電話・スマホが爆発的に普及しました。その結果、街からは公衆電話が消えていきました。通話の頻度が一定数を下回ると撤去される決まりがあるそうです。
時代の趨勢で仕方ないことですが、うっかりスマホを忘れて公衆電話を探したら、全く見つからなかったのには唖然としました。いつの間にか消えていたのですね。地下鉄等の駅ですら撤去されてしまいました。開業の頃に川本眼科の宣伝用のテレフォンカードを作り、今でも何枚か残っているのですが、もう使うことはないでしょう。
ピンク電話も見かけなくなりました。公衆電話はNTTが費用を負担しますが、ピンク電話は設置した店が電話料金を払っています。全く使ってもらえなければ基本料金の分だけ赤字です。
川本眼科では患者さんの利便性を考えてピンク電話(色は黒ですが)を残していましたが、ひかり電話を導入した際に撤去しました。その代わりに「無料で使える電話機」を置いてあります。今でもタクシー呼び出しなどでたまに使われていて、やっぱり必要性はあるようです。
インターネット回線の変遷
その昔、パソコン通信なるものをやっていた頃、モデムという機械を使い、データを「ピーヒョロヒョロヒョロ」という音に変換して電話線の先にいる相手に送っていました。今から考えるととんでもなく遅い通信方式でしたが、その頃は夢中になって使っていました。
その後、ISDN回線→ADSL回線→光ファイバー回線と数年ごとに新しい通信方式が登場し、データ通信速度はモデム時代に比べると1万倍くらい速くなりました。最初は文字データを送るのがやっとでしたが、そのうちに画像が送れるようになり、さらに動画が送れるようになりました。インターネットへの接続端末は当初はパソコンでしたが、今ではスマホが圧倒的に一番使われている端末だそうです。手軽ですものね。
インターネットをマルチ回線で
川本眼科では、院内各所でインターネットが使えるようにネットワークを作っていますが、それとは別に診療報酬請求用のインターネット回線を契約しています。厚生労働省が通知したセキュリティ対策を遵守するためです。さらに駐車場の監視カメラから映像を送るためにインターネット回線を使っています。まさか駐車場にまでインターネットが必要になるとは思いませんでした。
逆に、セキュリティの観点からインターネットにつないでいないシステムもあります。診療で病変を患者さんにお見せしながら説明するのに使っている画像データベースは、検査室と診察室を結んでデータを送受信していますが、情報が外部に漏洩しないようにネットとは接続していません。
院内WiFiの不人気
数年前、院内でWiFiが使えるように専用の無線ルーターを設置したのですが、悪用されることを過剰に心配して登録が必要なシステムにしたところ、全く使ってもらえませんでした。やはり複雑すぎると面倒なのでしょう。個人情報を登録することへの警戒感もあったと思います。
そこで最近、登録不要の別のシステムに取り替えようとしました。簡単なパスワードさえ打ち込めば使えるWiFiで、ホテル等でよく見かけます。ところがうまく接続できず困っています。こういう分野に精通した専門家がいないため、院長が取扱説明書とネット情報を頼りにセッティングするのですが、一度つまずくと不具合の原因を究明するのが難しく悪戦苦闘しています。
構内電話網の更新
川本眼科は北側に増築していて本年6月頃竣工予定ですが、それに伴って構内電話システムを取り替える必要が出てきました。現在使用中のシステムは販売中止となって久しく、端末の電話機も入手困難となっていて、結局全体を取り替えざるを得ないのでした。もったいない。
ただ、さすがに機能は前より向上していて、相手の電話番号を表示でき、通話直後に簡単にかけ直しができます。必要があれば何と通話の最初に戻って録音できる驚きの機能もついていますので、迷惑電話対策にもなりそうです。
これは便利だなと思ったのは構内PHSです。以前からワイヤレス電話機は使っていましたが、1対1で対応するアンテナから電波が届く範囲でしか使えません。ところがPHSなら院内に設置した複数のアンテナのどれでも使うことができ、移動しても階が変わっても通話を続けることが可能なのです。院内のどこにいるか分からない人を呼び出すことも可能です。すっかり廃れたと思っていたPHSの技術は、こんなところで使われていたのですね。
2019.2