川本眼科だより 233川本眼科増築 2019年6月30日
川本眼科は開業してもうすぐ25年になります。手狭になっていて、いろいろ問題が出ていました。北側の隣地を譲っていただいたので、思い切って増築することにし、本年6月無事竣工しました。
計画、設計、工事等には、当初考えていたよりはるかに時間がかかりました。診療を続けながら工事するという制約が最大の理由です。
1階の診療スペースが手狭に
川本眼科は1994年に開業。最初は賃貸でしたが、2000年に今の川本眼科ビルを建てて移転しました。
当初の計画では2階も診療スペースとして使うつもりでした。しかし、1階・2階に分かれると、患者さんの動線が長くなり、スタッフの目が行き届かなくなり、階段やエレベータの増設も必要になります。結局、断念しました。
検討の結果、診療スペースを1階に集約することにしました。様々な工夫を重ねてコンパクトで機能的にまとめました。
建築当初は良かったのですが、数年経つと手狭になりました。患者さんも増え、イスを置く場所がありません。トイレも多目的トイレ1つでは足りません。カルテ庫も足りません。眼科の世界では新しい検査機器が次々と登場しましたが、そういう機械を置くスペースも不足していました。
対策は取りました。1階にあった車庫をつぶして事務室にしました。診察室後方にあった医局を2階に移転してレーザー室にしました。不便にはなりましたが仕方ありません。使用頻度が少ない検査機器は2階に置いてやりくりしました。
いろいろやってはみたものの、スペース不足の問題は解決せず、限界を迎えていました。
だんだん話が大きくなって
幸い、北側隣地を譲っていただけることになり、諸問題を根本的に解決すべく増築計画がスタートしました。2017年10月頃のことです。
私たちは当初、比較的低予算で独立した建物を建て、連絡通路を設けて行き来するという穏便な計画を立てていました。前回設計していただいた中日設計の若林先生に相談したところ、驚くべき提案をいただきました。コンクリートの壁をぶち抜いてつなげて広い空間にしたらどうかというのです。北側の壁は耐力壁ではないので、大きく開口しても耐震性能に問題ないと。
それが可能なら、そのほうがはるかに使い勝手が良いことは間違いありません。一体の建物として意匠も合わせたほうがカッコいいですし。
思い切って設計士さんの提案に乗りました。さらに「この機会に・・」「せっかくなら・・」とだんだん話が大きくなっていきました。中途半端な建物を建てるより良かったと思いますが、建築費用も当初の想定から跳ね上がりました。
待合室を広くしました
従来、混雑時には座る席がないこともありましたが、増築で待合室はかなり広くすることができました。それに伴い通路も広げたので歩きやすくなったと思います。
北側に机が使えるカウンター席を設けましたので、ご利用下さい。USEN WiFi Spotも使えます。
待合室の照明を既設部分も含めてLEDにして格段に明るくなりました。診察室などHf蛍光灯のままの場所が暗く感じられるほどです。
クロス(壁紙)も増築部分に合わせて既設部分も広い範囲で貼り替え、きれいになりました。
ミニ・ドリンクコーナーも設け、水やお茶や紅茶などが飲めるようにしました。小さな洗面台も設置したので、飲みかけを捨てたり、手を洗ったりすることもできます。
これで患者さんが待ち時間を少しでも快適に過ごしていただけたら幸いです。
トイレを増設しました
トイレ問題は ‘川本眼科だより214′でも取り上げましたが、今回の増築でようやく解決しました。
増築部分北東に2つのトイレを増設、両方とも通常女性用としました。男女別を望む声が強いこと、女性のほうが身支度に時間がかかることを配慮しました。ただし、状況によりこちらに男性をご案内することがあります。ご了解ください。
既設の多目的トイレは、通常男性用として使用します。ただし、車イス用、おむつ替え用のトイレでもあり、女性も使います。男子小用の場合でも、必ず鍵をかけ、1人ずつお使い下さい。
視力は3mで測ります
視力計を液晶画面に表示する最新型に更新しました。指標を切り替えて表示できます。 0.1未満の視力でも液晶画面上で測定できます。
測定距離は3mに設定しました。スペース節約です。5mが標準ですが、都市部の眼科では既に1mや3mで測定することが普通になっています。
視力計は3台です。間隔を広げて置いたので、今までよりゆったりとして余裕ができました。
面談室(多目的室)
視力検査スペースの奥には広さの異なる2つの小部屋があります。「面談室1」「面談室2」と称していますが、いろいろな用途に使い分けることを考えています。
病歴聴取、手術の説明、ボトックスの説明等。
点滴・採血などの処置。一部の特殊な検査等。
幼児・小児と親御さんの待機場所。 等々
視野検査室
視野検査のための専用の部屋を作りました。
今までは暗室に他の検査と同居していたため、話し声が交錯して聞こえて検査に集中しづらかったのですが、今後は邪魔な雑音が減ります。
旧型の視野計は買い替えることにしました。
将来の用途変更も考慮
眼科では次々に新しい検査機器が登場します。これからも開発は続きます。画期的な検査機械が登場した時には素早く導入したいものです。今回の増築でそういう将来の眼科診療にも対応できるようにしたつもりです。
患者さんに最先端の眼科医療を提供できるよう、これからも頑張ります。
(2019.6)