川本眼科だより 270旅を楽しむ 2022年7月31日
もともと川本眼科だよりは眼科に限定せず気楽に読めるエッセイのつもりで始めたのですが、私の知識や興味からどうしても眼の病気の話題が多くなります。
今回は院長の趣味についての話です。趣味は何かと問われて、以前は囲碁とか写真とか映画とか読書などと答えていたのですが、最近はどれも遠ざかってしまっていて、趣味とは言えなくなっています。
では今一番はまっているのは何かと言えば旅行です。旅行は大好きです。でも、悲しいかな、なかなか時間が取れません・・・
学生時代から旅行大好き
旅行が好きになったきっかけというと、学生時代に運転免許を取ったことだと思います。最初の車は中古のカローラでしたが、うれしかったです。自由にどこへでも車で行けるというのは新しい世界への扉でした。
その後、夏休みや春休みなどに有志を募って旅行に出かけるようになりました。列車や飛行機の学生用割引制度を利用し、駅や空港でレンタカーを借りてあちこち回るのです。レンタカー代は高かったけれど、5人集めて割り勘にすれば列車やバスより安く済むし、何より自由にどこでも好きなところに行けるのが魅力でした。
貪欲にあちこち回り、遊びすぎて宿への到着が遅くなって迷惑をかけ、いつも謝ってばかりいました。当時私たちのために遅れても夕食を出して下さった宿のみなさん、本当にありがとうございました、若気の至りでした。
でも、楽しかったなあ。
地獄の研修医生活の中でも
卒業して研修医になると、とんでもない生活が待っていました。サービス残業無制限で24時間拘束され、患者さん用処置ベッドで仮眠を取ることもあり、土日も休まず毎日出勤、それで確か月給9万6千円でした。しかもすべての雑用は研修医に押しつけられていました。くたくたでした。先輩は「俺たちもこれでやってきたんだ」と。
今なら間違いなく労働基準監督署の監査が入るでしょうが、当時は医師の仕事は特殊であり、労働基準法の適応外とされていたのです。ちなみに現在は研修医の待遇は改善されています。正直うらやましいほどです。
この奴隷労働の中でも、夏休みは1週間もらえました。全員一斉ではなく時期をずらして交代に取るのです。そしてその1週間をどう過ごすかというと、もちろん旅行です!
疲れていたのに、旅行に行く元気だけはあったんですね~。
勤務医時代は海外メイン
研修医生活を脱すると、夏休みだけでなく、年末年始も当直を人に任せて5日間くらい休めるようになりました。お金も時間も多少は余裕ができて、一時期は海外旅行ばかりしていました。
韓国にスキーをしに行ったり、シドニーの港で花火を見ながら年越しを迎えたり、米国でディズニーランドやユニバーサルスタジオに行ったり、どこも、それぞれ魅力があり、楽しめました。
海外の場合はパック旅行を利用しました。飛行機もホテルも現地の交通手段もすべてあらかじめ計画されていて、問題が発生した場合は代替手段も旅行社が提供してくれるので安心です。特に治安が悪いところにいく場合はなおさらです。
ただ、パック旅行には「旅の計画を立てる」という最大の楽しみがありません。メニューの中から選ぶだけです。同じところに行くのでも、自分で1から計画を立てたほうが楽しいと感じるのは私だけでしょうか?
海外でもレンタカー
海外でも、車で自由に好きなところに行きたいと思い、3~4回レンタカーを借りました。学会のついでに観光しようと思うとレンタカー以外に交通手段がないこともあります。
ほとんどの国では右側通行で、運転席は左側にあり、ウインカーも反対についています。大丈夫か心配でしたが、これは意外に早く慣れます。問題は右左折のときで、間違えそうになったことが2,3回ありました。
交通違反で罰金を払ったことがあります。カナダの長い長い1本道を制限速度を守って走っていたのですが、集落に入って制限速度が変わったことに気づかず、隠れて待ち伏せしていたパトカーに捕まりました。郵便局で罰金を払わなければなりません。帰国まであと3日しかなく、郵便局がどこにあるかもわからず、途方に暮れました。ちなみに罰金を払わないまま帰国するとブラックリストに載せられて、一生カナダには入国できなくなるそうです。
コロナで国内回帰
コロナウイルスのため海外には行けなくなりました。必然的に国内旅行しかできません。
国内旅行も、緊急事態宣言が出されている間は自粛しました。コロナの正体がだんだん解明されてくると、旅行も感染に十分気をつければ可能だとわかりました。
まず、公共の交通機関はなるべく避け、車で行ける範囲で旅行することにしました。実は名古屋はそういう点ではとても便利なところにあります。高速道路網が充実し、日本アルプスも近いし、京都も近いし、少し足を伸ばせば富士山だって熊野だって北陸だって車で行けます。
車で行けば現地での行動も自由度が大幅に上がります。好きなところを自由に回ることができます。この計画を立てるのが本当に楽しい。時間はメチャメチャかかりますが、海外パック旅行にはない楽しみです。
コロナで観光地は空いていた
コロナが猛威を振るったこの2年半、日本は海外からの観光客を閉め出していました。日本人でも旅行を控える人が多く、かつては人であふれかえっていた人気観光地も空いていました。
観光業界には痛手だったでしょうが、旅行には千載一遇のチャンスだったと思います。これからまた人が戻ってくるでしょう。賑わうのは良いことですが、ちょっと残念です。
バカンスが欲しい
旅行は好きなのですが、開業医をしていますと、正月休み、ゴールデンウィーク、夏休み、日祭日の混雑する時しか出かけられません。誰か代診してくれて1ヶ月くらい旅に出たい!というのが私のかなわぬ夢です。
(2022.7)