川本眼科だより 28診療時間短縮 2002年6月30日
川本眼科では3回診療時間を変更しています。
2002年以降7年間変更していません。今後も変更する予定はありません。
川本眼科では、10月1日より、午後の診療時間を30分短縮し、午後5時で終了することにいたします。
患者様にはご不便になってしまい、まことに申し訳ございません。
診療時間を午後5時終了に変更
川本眼科では、本年10月1日より、午後の診療時間を30分短縮し、午後5時で終了することに変更いたします。
患者様には御不便になってしまう変更で、心苦しいのですが、なにとぞご理解賜りますようお願い申し上げます。
月 火 水 木 金 土
午前9時~12時 ○ ○ ○ ○ ○ ○
午後2時~ 5時 ○ ○ - ○ ○ -
※日曜・祝日は休診
診療時間は今までも何度か変更してきました。
実は、1994年(平成6年)11月に開業したときは、午後の診療時間を「4時から7時」にしていました。しかし、子持ちの看護婦さんが早く帰るために、途中で看護婦さんがいなくなってしまうという事態になりました。また、仕事が終わるのが夫婦揃って7時過ぎというのは、自宅が離れていたこともあり、無理だということがわかりました。
結局、開業してわずか2週間で午後の診療時間を「1時30分から5時まで」に変更しました。
5時まででは仕事が終わってから受診できない、という苦情を数多くいただきましたが、半年ほどでほぼ定着しました。しかし、患者さんの数が増えてくるにつれ、午前の診療が長引いて昼休みが取れないという事態がたびたびおこりました。
そこで、2000年(平成12年)3月に新築移転したとき、午後の診療時間を30分ずらし、「2時から5時30分まで」にいたしました。もう少し終了時間を遅くしてほしいというご要望にも配慮した変更でした。
30分ぐらい、と思いましたが、実際にやってみると結構厳しいものがあります。5時30分ぎりぎりで受付された患者さんに散瞳して検査して診察して、ということになるとやはり1時間くらいはかかり、診察終了が7時過ぎになることもあるのです。子持ちの看護婦さんが自宅まで帰るのにはさらに30分以上かかりますから、家庭生活に相当のしわ寄せが来てしまうのです。ちなみに、川本眼科の4人の看護婦は全員子持ちです。
以前は、夕方になると家内は診療をやめて自宅に戻っていましたが、次第に患者さんが増えるにつれそれもままならなくなってきました。
医療機関の診療時間
名古屋地区では、開業医の場合、診療時間を午前と夕方に分け、長い昼休みをとるかわりに夜遅くまで診療するという「中抜き」のスタイルが一般的です。
東京でも、そういう「中抜き」のスタイルはありますが、オフィス街では「9時から5時まで」、住宅地では「夜だけ」、あるいは診療科によっては「日曜・休日の診療」など、非常に多様化しています。
「日曜・休日の診療」については、潜在的な需要は大いにあって、やれば患者さんからは喜ばれるでしょう。問題は、医師にも看護婦にも家庭があることです。若い独身の医師なら可能でしょう。家庭のことはさておいても、学会が土日に集中していますから、ちゃんと学会に出るつもりなら日曜診療はしにくいですね。
「中抜き」スタイルは、仕事を持つ患者さんには便利です。病気だからといって、そうそう遅刻したり早退したり休みをとったりというわけにはいかないのはよく理解できます。
ただ、名古屋にはたくさんの眼科があって、川本眼科の近くでも、沢眼科は7時まで、横瀬医院は6時半まで、よびつぎクリニックは8時まで、水野眼科は6時半まで診療していますから、どうしても夜の診療をご希望であれば、十分受け皿はあると思います。
「中抜き」スタイルの問題点は、常勤のスタッフを雇いにくいことです。常勤で募集してもなかなか有資格者や経験者は集まりません。いくら昼休みがたっぷりあっても、中途半端な時間なので有効に利用することができませんから、敬遠されてしまうのです。
そこで、パートやアルバイトを大勢採用して、午前と夕方で人を替えて交代で勤務する形を取らざるを得ません。ところが、午前のパートはすぐ見つかるのですが、夕方だけ働いてくれる人はなかなか見つからないのです。コンビニなどでは学生アルバイトやフリーターを雇うことになるのでしょうが、そういう人は短期間で次々に辞めていきますから、長期間の教育や研修を要する仕事は任せられないということになります。そもそも、常勤とパートでは、責任感の点でも、仕事の熟練という点でも大きな差があります。
現在川本眼科のスタッフはほとんどが常勤です。結果的に川本眼科が優秀な人材を得たのは、診療終了時間が他の診療所に比べて早かったからだと思っております。
定率制の導入で受診抑制?
時間の変更を10月からにしたのは理由があります。
10月1日からは、老人医療にも全面的に定率制が導入され、1割負担となることが決まっています。(ただし、自己負担には月に3千円程度の限度額があります) これにより、高齢者が医療機関に受診する回数が減るだろうと予想されています。
実は川本眼科の場合、定率制のほうがかえって自己負担が少なくなる患者さんも結構いらっしゃいます。それにもともと月1回受診の患者さんが大半です。ですからどれだけ影響があるかわからないのですが、患者さんの受診が減る時が時間短縮を実施する時期としては適切と考えました。
それに、例年、日が短くなると、夕方受診される方は減るのです。高齢者は暗い夜道は敬遠されるのですね。
将来は週休2日にしたいが
現在、大きな病院はすべて土日を休診にしています。川本眼科も将来は週休2日にしたいと考えております。ただ、土曜日の診療を希望される患者さんが多いので、土曜を休診にするわけにはいかないでしょう。
ですから、午前のみ半日診療している水曜日を終日休診にすることを考えております。
ただ、ふだんの診療の待ち時間がさらに長くなるのも困るので、当面は診察終了時間を5時までに変更した影響を見きわめたいと思います。
※水曜休診には結局しませんでした。ただ、水曜は中京病院医師が副院長の代診をすることになりました。(院長はそのまま)
2002.6